宣言!「私は小説家」
私は小説家として稼いでいくことを目指しているから、小説家を目指している者だと、自己紹介をして来た。
しかし、本当に小説家として、つまり私の嫌いな表現である「商業作家」として生きている人のみが小説家なのだろうか?
普通に自己紹介するときに「私は小説家です」とは言えない。なぜならば、そう言うと相手は私が小説で食べている人間であると勘違いする可能性があるからだ。職業を訊かれたときは、小説家であるとは言えない。現在は介護士である。しかし、私のアイデンティティは介護士ではなく小説家にある。
かつて、中学生の頃、野球部に在籍していた私は自分を「野球人」であると自覚していた。それがアイデンティティというものだ。私は野球で挫折したため、この「野球人」を捨てようと思った。捨てるのに随分時間を要した。今でも「おまえは本当は野球人なんだろ?」と言われると古い自分が頭を擡げてくるが、それは過去であるとすぐに否定することができるようになった。
私の現在のアイデンティティは小説家である。
小説家として天下を取る。
そんな志が私の生きる支えである。
小説家を目指しているなどと言うよりは、すでに心は小説家なのだ。
そんなわけでこれからは、職業を訊かれたら「介護士です」と答えるが、何者かと訊かれたら「小説家です」と答えるようにしたい。
またnoteをはじめネット上にはプロの小説家デビューを志す者が多くいるが彼ら彼女らも小説家と認めたい。人生を小説に賭けている者は、それで稼いでいなくても充分小説家であると思う。