海の見える登山
今日、私は静岡県静岡市と焼津市を隔てる山、高草山に登ってきた。
この山は標高五百メートルほどで、私が普段使っている登山道だと、登りが大体一時間程度かかる。私にとってこの山は近場の気軽に行ける山で、トレーニングも兼ねて登る山だ。
しかし、トレーニングが嫌いな私は、この山に登るときは必ず目的を作る。今日の目的は山頂でレトルトのごはんをみそ汁とツナ缶をおかずに食べることだった。
しかし、レトルトのごはんは美味しいが、加熱の際のお湯がもったいない。そうかと言ってそのお湯でみそ汁を作って飲む気はしない。やはり、お湯を注いで蓋をして十五分待てば完成のアルファ米がいい。
レトルトを加熱している時間、ただ景色を見ながら待つというのも良かった。蝉の声が三種類聞こえた。ミンミンゼミ、ツクツクボウシ、ヒグラシ。ツクツクボウシやヒグラシを聞くともうすぐ秋だなと思う。
結局、今日はレトルトを加熱したお湯は捨てた。あ~もったいない。
で、みそ汁を別の器に作って、本日の昼食の完成だ。
いや、山の上で白いごはんを食べられるこの幸福は何だろう。上の写真を見ての通り粗食に過ぎない。しかし、美味いのだ。
私は静岡市の方向を見ながら、美味しくこれらを頂いた。
食べ終ると、満腹になった私は下山の仕度をした。
今日は熱中症アラートが出ていたが、下山時は風が気持ちよく、いい夏の登山だった。
山を下る私の左手には駿河湾が見える。
そういえば、最近私は北アルプスや八ヶ岳に登っているが、そこから海を見たことはない。剣岳から富山湾が見えるのかもしれないが私が行ったときはガスで見えなかった。槍ヶ岳や穂高連峰からは海は見えないのではないだろうか?北アルプスはたしかに絶景であるが、海が見えるか、という視点を入れると、零点の評価になってしまう。そこで私は考えた。海を見ながら登山が出来るのも贅沢ではないか?海を見ながら、感じながら登れる山は全国にたくさんあるだろう。そういう視点から、「海の見える百名山」を選ぶのも面白いかもしれない。深田久弥の選んだ百名山や、二百名山、三百名山は無視して、海の景色と登山を楽しめる山という視点で、一定の条件を設け、全国の海に近い山から百座選ぶのだ。
「海の見える百名山」を選ぶことで、何か日本の登山界に新しい山の楽しみ方が生まれそうな気がする。
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