見出し画像

カンボジアで乳がんになるvol.17.最終章。。になるかな

2023年の7月に癌と診断された。あれから1年。今も元気に生きています。

2023年7月、バンコクの病院で乳がんと診断され、すぐに左胸の全摘手術を受けるように言われるが、セカンドオピニオンも欲しくて保留。

2023年8月、日本のクリニックで再度検査を受け、虎ノ門病院でMRIやCT検査を受け、バンコクの病院と同じ診断を受ける。が、手術や放射線治療など、病院での治療を受けないことを決める。

2023年9月から2024年1月くらいまで、がん細胞を小さくする方法を模索する。
温熱治療、電気治療、サプリメント、などなど。。。。

2024年1月、癌という病気に囚われていた6ヶ月を改めて振り返った時に、自分にとって大切なことは、今まで通りの生活をすることだと腑に落ちた。
必死にがん細胞が消えるために費やしていた6ヶ月間は、自分がどう生きたいのかということに向き合うために必要な時間だったのだと気づく。どう生きるのか、どう死に向き合うのか。真剣に生きるということ、死ぬということ、人生というもの、そして何よりも「いま」この時間の大切さ。自分自身の答えを見つけるのに6ヶ月かかった。

その時間の中で、今まで通りの生活をすることが、いちばんの自分が幸せを感じる生き方だと心の底から思えたので、、自分のファームで採れたお野菜を中心とした自炊を楽しみながら、時々は友人とレストランでの食事を楽しみ、ワインを楽しむ。ファームのワンコ達との朝夕のお散歩とヨガ。
そして、次世代の人たちに引き継げることを精一杯残していく、渡していく、繋げていく、そんな時間を過ごしています。

私の身体を心配して手術をするように泣いて説得してくれた親友たち、自分も同じ病気を患ったからと自分の体験からのアドバイスをしてくれた友人たち、ご家族が癌で苦しんでいて気持ちがわかるからとつかず離れず声をかけてくれた友人、そして何よりも、いつもそばにいてくれて病気のことは一切話題には出さないけどいつもいつも身体のことを気にかけてくれる家族のように寄り添ってくれているカンボジアの家族。本当にたくさんの愛を感じた半年でした。

そして、今日、7月23日の夕方、激しい雨と風、強いスコールがシェムリアップを襲いました。そして、世界遺産のアンコールトムでたまたまそこを通ったトゥクトゥクに大木が倒れてひとつの命が失われました。

1分前に誰がそこで命が失われると思ったでしょうか。誰もそんなことは思わず、ただスコールが来たと傍観していたと思います。

それがたまたま自分ではなかったんです。そこをたまたま通りかかったのが私だったかもしれません。

誰もがいまこの時間を当たり前にあるものだと過ごしています。私もそうでした。癌と言われる前までは。明日もまた当たり前にくるものだと思っていました。
目の前にいてくれる人が明日も当たり前にいるものだと思っていたし、この今の一瞬が奇跡で巡り合っていると思ったこともありませんでした。

癌のおかげで私は大切なことに、見過ごしていたことに、気づかせてもらいました。
今この瞬間は本当にかけがえのない時間で、奇跡の巡り合わせだということ。
この一瞬のすぐ先の一瞬が同じようにあり得ないということ。
本当に病気は気づきです。大切なことを教えてくれます。決して忌み嫌うものではないと私は思います。それによって何を考えるか、何を気づかせてもらえるか、病気だけではなく、あらゆる人生で起きること、全てが自分に学びを与えてくれるもの。

忙しいから、お金がないから、家族が反対しているから。。。。。といくらでも自分に言い訳はできますが。今は今しかない。今、大切な人を大切にする。今やりたいことをやる、今会いたい人に会いにいく。今行きたいところに行く。

そんなことを教えてもらった私の癌(かんこちゃん)との時間です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?