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カンボジアで乳がんになるvol.1 癌宣告を受けて


「悪性の腫瘍ですね」

ステージ2の乳がん、腫瘍の大きさは約3センチ

自分が癌の宣告を受けることを人生一度も想像したことはなかったけれど
想像したことがなかった現実が目の前に。

常々おもしろいなぁと思っていたこと。
人は病院でお医者様に病気ですと診断された瞬間に病人になるってこと。

私の腫瘍は3センチ、癌細胞が産まれてすぐに3センチになるわけではなく、1年に1センチずつくらい大きくなるらしいので、3年くらい私の体の中で共存していたことになる。その存在に気づいていないこの3年間、私は自分はとっても健康的な生活をし、病気にもかからず、元気だと思っていたわけで。

それが突然、お医者様に癌患者の烙印を押されて、手術、放射線治療、ホルモン治療など、今まで考えたこともない現実を目の前に突きつけられ、選択を迫られる。前日まで元気だった自分が、病人になった日。ちょうど1ヶ月前の7月2日。

6月末に自分でしこりに気づき、すぐにバンコクの病院でエコーとマンモグラフィーの検査を受けて左胸に腫瘍があると分かり、針生検で細胞検査まで受けたけれど、なんとなく陽性の腫瘍だろうなぁと思っていました。
でも、もし癌だったら自分はどうする??と考えを巡らせてはいたので、先生から検査結果を聞いた時も最初は「そっかー、癌か」くらいの気持ちでした。

ただ、先生から治療方法の説明を受けていたらだんだんリアルになってきて。胸を全切除、放射線治療、乳房の再建。。。。先生の言葉すべてが聞いたことはあった言葉。でも、自分ごととして聞いたことは一度もなかった言葉でした。

先生曰く「今、女性の9人に1人が乳がんになる時代」らしい。女性の癌で1番多いのが乳がん。それだけ多くの女性が通る道ならば、自分の経験が誰かの役に立つといいなと思って記録に残そうと決めました。

今日は8月3日。現時点でまだ治療方法も治療を受ける病院も決まっていません。
最初の検査はバンコクのサミティベー病院で受けて癌と診断され、そこの病院での治療方法をすんなり受け入れることができずに、日本の病院で再度同じ検査を受けて、現在その結果待ち状態です。

この1ヶ月は考えることが多く、しかも人生であまり考えなかったことを考えることが多く、感情が不安定なことも多くてそばにいてくれる人にたくさんの負担をかけてしまったけれど、変わらずそばにいてくれることに心から感謝しています。

乳がんは治療すればほぼ治る病気です。たいしたことじゃないって頭では分かっていてもこれがなかなか難しい感情なわけで。
癌細胞がなくなる方法はある、死に至る可能性は極めて低いからたいしたコトじゃないって言えるのか?
胸を切除すれば癌はなくなる、胸がなくなったって、生きている方が大事でしょ?っていうけど本当にそう?生きていることってそんなに大切なのか?
確かに、人は生きているからこそであって死んだら終わりでしょ、っていうのもわかるけれど。死んだら終わり?魂は永遠でしょ?

いろんな思考がぐるぐる駆け巡る。

人生いろんなことが起きるたびに、苦しくてつらくて1人で膝を抱えてうずくまっていた時に、いつも自分自身に言っていた言葉があります。
「来年の今頃は、私はもうこのことで悩んでいない。この悩みは今だけのもの。だから大丈夫。」

もちろん自分の人生のテーマとして、「自分はどう生きたいのか」とか常に考え続けている課題はあっても、今苦しいなぁって思っていることはきっと来年の今頃には悩みでなくなってるはず、いつもそう自分に言い聞かせてきた。苦しいと思うこともその時、その時で私にとって必要な経験であり、問題に直面することによって自分がどう考えるか、どう向き合うかが大切なことなんだと思う。それによって人は色々なことに気づき、学び、魂の成長につながっていくのだと。

癌になったことも、今の私に必要だから、自分の人生に必要だから起きている事象であると思うし、これからの人生をどう生きるかを大切に考える機会をもらっていると感じています。

来年の今頃はもう癌のことは忘れているかもしれないので、今感じていることを自分自身の備忘録かつ誰かの参考になればと思いながら揺れ動く感情を綴って生きたいと思います。







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