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US永住者が日本へ帰国する際の現金の扱い

はじめに

 最近話題になりつつある帰国者が有するドルを円に換金した時に生じる為替損益に対する税金に関して自分なりに調べてみたのでまとめておきます。私は税理士ではないので、あくまで独自に調べた内容ですので詳しい税理士の方に委任するのが良いかと思います。ただ知っているのと知らないとでは話の理解度も違うと思いますので、自分のまとめとして置いておきます。


背景を理解する

 最近は円安が進み、為替による影響を考慮した課税制度導入が議論されています。そこでこの課税制度がどのように影響するかを理解しないといけません。いくつかのパターンがあるので個別にみていく必要があるかと思います。

  • ¥$¥のケース

  • 外貨貯金$¥のケース

  • 日本国外で稼いだ$¥のケース

 上記の3つを考えればおおかたカバーできるかと思います。

¥$¥のケース

 一般的なFXと同じケースです。つまり日本円で$を買い、為替差益が出た時点で$を売り¥に換金するケースです。この時、最終時に手元に残るのは¥ですので、元での¥と最後の¥での差分が利益としてみなされます。この利益部分に関して課税は昔からされているので特に説明の必要がないかと思います。

外貨貯金$¥のケース

 裏でされている作業は最初のケースと同じです。つまりやっていることは¥$¥ですので、この時に発生する差益に対して課税されることになります。外貨貯金となると、外貨貯金期間中に発生する利息に関しても課税されます。

日本国外で稼いだ$¥のケース

 この場合が一番影響する部分です。出発点が¥ではないので単純ではないです。そもそも$部分はすでに課税されているので、それを¥に換金したからといって課税するのは少しおかしい気がします。そもそも2重課税になるのでおかしいと言えばおかしいですね。

$¥ケースの考察

 まず、$の出発点をどのようにするかは結構重要です。というのも複数年にわたり働き$を稼いでいる場合が大半なので、その複数年で稼いだ$は¥でいくらなのかを定義する必要があります。為替損益に課税するというコンセプトではこの$¥換算に関するコンセンサスが必要ですね。ただこれがまちまちのように見えます。

  1. $を稼いだ複数年の$¥平均為替レートを使用する

  2. 換金を実施した年の為替レートを使用する

 国税庁からは1.の場合を把握するのは難しいと思います。そもそも自己申告となるのでそれが正しいかを検証するにはIRSに問い合わせて、何年から収入があったかなどを確認する必要があります。そもそもいつから稼いだ$を積み上げたかは知る方法はないのでほぼ無理とも言えます。
 2.に関してはその時点での為替レートが適応されると思います。なので為替による損益が出たと証明するのはかなり難しいですね。強いて言えば前年の為替レートとの差分を言われるかもしれないですが。


アメリカSilicon Valley在住のエンジニアです。日本企業から突然アメリカ企業に転職して気が付いた事や知って役に立った事を書いています。