イメージセンサー技術と微細化技術の違い
はじめに
今回はイメージセンサー技術と微細化技術の違いに関して簡単に説明して、技術開発の着眼点の違いについてまとめていきたいと思います。
ご存知の方も多いかと思いますが、SONYのイメージセンサーの出荷数および売上は世界で第一位です。同じ半導体でもRapidusが目指している微細技術とはお大きく異なり。この違いに関して理解していただければと思っています。
自己紹介
日本の大学でPhDを取得し、日本の会社に就職するも会社の方針転換で一年も経たずに外部に出向し、先行きが見えないため別の日本企業に転職。なぜか転勤族になり西の方に移住。英語を勉強して外資系に転職しVISAをサポートしていただきUSに移住。その後GCを取得しBay Areaの大手テック企業に転職して今にいたります。専門は半導体のプロセス設計です。
半導体に関する記事等はこちらに集約しておりますので、ご参考までにリンクを貼っておきます。一部有料ですが作者のお茶代と思ってください。
Technologyノードに違い
突然わからない言葉が出てきたと思いますので少し補足しておきます。Technologyノードとは、微細化技術の進展度を指標化したものだと思ってください。数十年前は一番細い線幅で定義していましたが、今はそれが当てはまらないのでこのような言い方となります。値が小さくなればなるほど、微細化していると考えてください。例えば22nmと2nmを比較するならば、2nmの方が微細化が進んでおり集積度が向上していると言えます。
2つのTechnologyノード
最近話題のJASMのTechnologyノードは22nmから立ち上げが進んでいます。生産されたWaferは主にSONYに出荷されることがすでに公知の事実となっております。そうだとするとSONYのイメージセンサーのTechnologyノードは22nmか?というとそうではありません。あくまでこのWaferはLogic部分のみでイメージセンサーの重要な部分、つまりセンサー部分はSONYの熊本や長崎で生産されておりTechnologyノードは違っています。TechInsightsなどで詳しく扱っています。つまり
LogicのTechnology node
センサーのTechnology node
に分けて考える必要があります。つまり図で示すと
ここから先は
アメリカSilicon Valley在住のエンジニアです。日本企業から突然アメリカ企業に転職して気が付いた事や知って役に立った事を書いています。