十乗観法概要
天台大師の「摩訶止観」は、法華経の説く
誰もが仏の智慧がある
を実感するための瞑想法です。この主要手法である
十乗観法
は
不思議の境地を観ぜよ
慈悲の心を起せ
善く巧みに心を安んじる
法を破すること遍かれ
通塞(得失)を識れ
道品を調適せしめよ
助道をもちいて対治せよ
次位を知れ
能く安忍せよ
法愛無からしめよ
と言う十方法ですが、それぞれの位置づけは、違っています。
まず、1.の「不思議の境地を観る」が
仏の力でしか観ることが出来ない境地
無数の衆生一人一人の心を観る
その他色々な因縁果報の絡みを観る
を観ると言う、根本的な修行になります。これが不十分なら
2.慈悲の心を起こし
3.心を安定させ
4.今までの教えから自由になり
5.正しい修行(通)と偏向(塞)を見分け
6.適切な修行か見直す
と言う、見直しが必要です。
それでも、修行が進まないなら
7.適切な対処療法
を行います。例えば、性欲が激しい人には
人の体の朽ち果てる姿を想像する不浄観を行う
等です。
さて、こうして「不思議の境地を観る」経験をすると、それで思い上がる危険性があります。これに対応するのが
8.より上の境地を目指す
9.人からおだてられないようにする
10.今得たモノ(法)にしがみつかない
と言う姿勢です。
この修行は、法華経の説く大乗の教えの実践として、今こそ見直すべきだと思います。
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