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SFが伝えたトップの苦労

前に
SFで見るアメリカ人の発想|鈴木良実|note
を書きました。

しかし、そこで書き忘れた問題がありました。それは

エリートの苦労
トップはよく働く

を強調して伝達しようとした、一部作者の努力です。

例えば、E.E.スミスの大宇宙の探求者

Amazon.co.jp: 大宇宙の探究者 eBook : E・E・スミス, 榎林哲: 本

には

経営トップの多忙さ
若手技術者がやりがいのために働く

場面が出てきます。

また、ハインラインの代表的作品

宇宙の戦士 | ロバート A ハインライン, 矢野 徹 | 英米の小説・文芸 | Kindleストア | Amazon

にも、士官達が食事の時間も無く、働く場面が出てきます。

こうした作品には

1940年代からの米ソ対立
共産主義への恐怖

が背景にありました。つまり

経営者の搾取論

等に若い世代が毒されて

ソ連等の崇拝に流れる

危険性を畏れていました。また、現実的に

アメリカの高級官僚にも
スターリンの工作員が紛れ込む

という事件もありました。こうした共産主義の侵攻という恐怖、これが現実的に感じられていた時代の作品です。

しかしながら、現在の

大企業悪人論
特に
経営者は上手い汁を吸う

論法が横行している、状況を考えれば、こうした

トップエリートの苦労

を、もう少し伝える努力も、必要かと思います。

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