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放送大学について思うこと

Twitterで、放送大学の話が出たが、私も放送大学の教材には、色々とお世話になったので、思うところを書きたい。

まず私自身の立場を説明すると、元々は旧帝大(追加の二大学の一つ)の工学部の修士で卒業し、メーカに就職し、そのご縁あって某大学の工学部で学外講師をさせて頂いた。担当科目は「プログラミングの基礎」などで、ここまでは技術系の人間であった。

しかしながら、その後の会社生活では業務を転々とし、社員研修の仕事となった。そこは、総務部という事務系の部門に属しているので、色々と学び直しが必要になり、法学部系の人間と、法律の階層構造の議論をしたり、経済系の人間に、動機付けの影響を議論したりと、心理学ではカウンセリング手法を学んだりと、色々な学び直しをする必要があった。

そのようなとき、放送大学のテキストが、大手書店で入手できたので、必要分野の基礎を見通しよく吸収できるので、重宝した。特に技術者として立場は、科学哲学の教科書が、よい見通しを作ってくれた。今でも思うが

大学の教材を全体として公開

いる放送大学は凄いと思う。

さて、企業側にいた人間として、採用目線で放送大学について、もう少し検討していきたい。この問題に関して、昭和から平成の頭の企業側の採用者には

「大学の教育は当てにしない。入学試験で選ばれた人材が欲しい。」

と言う考えがあった。実は、この様な言い方をする根底には

「マルクス主義の蔓延」

があった。現在の人に「マルクス経済学」と言っても、歴史上の存在と思われるかもしれないが、昭和の時代には、日本の大学の経済学の多くは「マルクス経済学」であった。ただし、日本の「マルクス経済学」は独自の発展を遂げたので、当時のソ連の学者が来日しても、話が合わなかった。しかしながら

「大企業悪人論!」

等の教育が大学で行われていると、企業側でも見ていた。これを踏まえると

「大学教育は当てにしない。企業内で教える。」

と言う発想が出ても仕方ないと思う。さて、この観点で見れば

「放送大学は入りやすい」

ので、放送大学出身者の評価は高くないと思う。

しかしながら、現在の経営状況は大きく変化している。仕事の上での基礎スキルに対する要求は、益々高くなっている。

これを考えると

「大学で何が身についたか!」

を見ての採用が必要だと思う。現在のIT技術を考えれば、学生のレポートや論文を公開することも可能だろう。このような方法で

「XXさんは、放送大学で、このような力を付けました」

と公開していく方法はあると思う。

余談だが、私は昭和の50年代末に、採用がらみである大学の教授室を訪問した。その大学では

「学生のレポートの添削をキチンとする」

が教官のノルマであり、学生の書いた量の半分ぐらいの赤ペン書き込みがあった。この大学では、かなり力を伸ばして卒業させていた。

こうした努力が見えるのが、現在のネット社会ではないかと思う。

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