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無理難題の言い方

会社では、管理職や経営者は、部下に対して

無理難題

を言います。これを、もう少し美しくすると

現状を突破すべく指示
部下の成長のためより高い課題を与える

等が出てきます.しかしながら、これにはもう少し

上司側の配慮

が必要です。具体的には

  1. 成功の見通し

  2. 部下の能力の評価

  3. 相談と支援(不可能時の対応を含む)

です。課題がどれほど難しいか、それがキチンと見えていて、上司なら成功の方向が見通せる。こうした課題を、しかるべき能力のある人間に与える.特に

現在は開花していない潜在力ならできる

と言う見極めでの『無理な課題』は、育成手段としても有効です。また、成功の見通しはないが

特に有能な部下に任せる

と言う対応も、管理手法としてはあります。

さて、このような『無理難題』を与えても、その後の

報告・相談

ができるような管理が、できているでしょうか?
部下が悩むときの助言や支援、そしてどうしてもダメなときには、撤退や代替え手段を考える.こうした上司の対応があるなら、部下は難しい課題にもチャレンジします。

これがないと、単なる押しつけになります。

一方、部下の方も

与えられた課題についてキチンと検討し
できないなら理由を報告する

こうした対応も必要です。

どうせ無理言っているか聞き流せ

となれば、組織は崩壊します。

参考事例1

太平洋戦争の敗因の一つと言われている、ミッドウエー海戦では、事前に図上演習を行いました。その時

仮想アメリカ軍の奇襲で日本の空母は大被害を受ける

と言う結果になりました。そこで、その演習を最高責任者の、宇垣参謀総長は

「アメリカ軍の攻撃力を3分の1にせよ」

と命じて、演習を続行しました。歴史的結果が示すように

演習時の想定どおりの被害で日本空母は全滅

と言う結果になりました。この話で、宇垣参謀総長を責める歴史家は多くいます。しかしながら、宇垣参謀長は、図上演習の後、部下の参謀達に

「アメリカ軍の攻撃力を1/3にする方策を考えろ」

と指示したという説があります。これは、無理難題かも知れませんが、参謀達の権限を考えれば、しかるべき方策を検討し、出来ないなら理由を伝えるべきでした。

これを

何時もの無理言い

無視する組織が、本当の敗因かも知れません。

参考事例2

私の、K社の取引先向け、新年説明会での経験です。各説明者は

『現在の原価の1/10が目標である。それについてこれない会社との取引は、将来無くなる。それを実現するためのVE提案を待っている。」

と言う無理難題を言っていました。ただし、VE(ヴァリュー・エンジニアリング)による、代替え機能の提案を受け、伴に考えるという姿勢が明確でした。この姿勢なら無理難題も許されると思いました。

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