現場力で若手を育てる
皆さんは『現場力』という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
「日本の企業は『現場力』が強い」
等の言葉で使われます。この時
「現場の創意工夫でモノづくりを完成させる」
「一味違ったサービスを付加する」
のように、上司や設計段階の技術者の
机上の検討の不備を補い完成させる
という意味合いで使われています。
このように考えると
机上検討力が弱いから『現場力』に頼る
というイメージが出てくるかもしれません。実際、メーカの物づくりの現場では
設計段階でのコンピュータシミュレーションを強化し
設計通りの物づくりが一発で動く
状況を理想としています。確かに、下手な試行錯誤をしないで、机上検討通りでモノが動くなら、無駄はなくなりますし、自動化も進みます。利益追求を重視する、経営的に見れば
『現場力』依存を下げる
のは正しい判断に見えます。
しかし、ここで
人財育成
の観点では
しっかりした知識的基礎を持つ若手
に対して
現実の多様性に対応する『現場力』
を経験させることは、視野を広げしかも、理論的知識の活用力を強化する、貴重な機会となります。現在は、このような経験が弱くなっているように思います。
これは
現場に助けられた経験のない若者
理論知識だけですべてと思い込む若者
だけの問題ではありません。
指導する側
にもこうした認識が弱くなっています。さらに言えば、管理職や経営者にも、このような
現場の対応で理論の限界と現実の多様性を実感する
事の大切さが見えていないように思います。