社会科学的な検討法
昨日は、西洋文明にある
哲学の突破力
について書きました。これh端的にいうと
物理学のような理想化したモデル上での検討
の力です。これは、古代ギリシャの哲学者プラトンの「イデア」の発想から、デカルトの論理などを経て、ニュートンの力学で、大きな成果を得ました。
しかしながら、このような発想では
社会科学的な事例
への対応は難しい面があります。マックス・ヴェーバーが指摘した
「理想的な犯罪者」
での議論が一例です。ここで
「理想的」は血も涙もない犯罪者
の意味です。現実の犯罪者には
それまでの生育条件
本人の資質問題
犯罪時の環境
個人の葛藤
などいろいろと考慮すべきものが在ります。これを無視するのが
物理学的思考法
です。
しかしこのような思考では、落ちていくものが存在します。これに対して、「社会学の始祖」と呼ばれている、ヴィーコは「学問の方法」などで厳しく批判しています。
岩波文庫青672-1『学問の方法』解読|鈴木良実 (note.com)
ヴィーコが、デカルトに対する批判者としても有名なのも、このような見方から理解できます。
さて、私の考えでは、こうした社会問題を考えるとき
平均的人材について考え
そのブレ(誤差範囲の変化)を検討し
逸脱者に関しても検討
という3段階を踏むことが、最低限必要だと思います。
平均的人材を、理想像にして、それだけの議論はだめです、一方、特殊事例だけを言いつのっても、全体像は描けません。
両者のバランスが必要と思います。
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