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護身法について その二

 護身術などでは、

「まず逃げろ」

が基本となっている。この応用として

「第一撃は外せ」

と言う教えがある。これは、刀での戦いの時

「示現流の初太刀や居合いの抜き打ちは外せ」

と言う教えから来ている。

 さて、これは正しいのだろうか?私の答えは

「多くの場合は正しいが例外もある」

と言う、言い逃れ的な答えになってしまう。理由は

「柳生心眼流の左太刀など」

の反例による。柳生心眼流の左太刀は、最初は右手に持った小太刀で切りつける。この切り込みは、外されることを想定している。しかし、はずれた小太刀を体の後ろに回し、左手に小太刀を持ち替え、左反身で思い切り踏み込んで切り込む。この二撃目が、本来の切り込みである。緩い初太刀で油断させる、駆け引きを含んでいる。

 さて、このような駆け引きのできる攻撃者は、多くいるだろうか?私は少ないと思う。逆説的になるが、しっかりした武術などを習って、人間関係ができていれば、発作的な強行に至る例は少ないと思う。

 逆に、世間から相手されずに、一人でいる人間の方が、危険な行為に移る可能性は高い。そのような人は、凶器を使うにしても、一人孤独に練習するので、どうしても

「第一撃が命」

となりやすい。

 そこまで考えると

「とりあえず第一撃は外せ、その後も油断するな」

と言う教えになる。


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