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映画記録2021①

こんにちは。先日のnote書き初めではたくさんの♡をありがとうございました。久々に50超えて嬉しかった~!今日は自己満メモになってしまうのですが、お正月や3連休で見た映画の感想を。何本もばーーーっと見たから一部雑ですが。では前回と同じフレーズを前置きに始めます。↓

次に見ることがあっても同じ感想にはならないだろうし、今の私が思ったことを備忘録がわりに綴ってみました。ちなみにネタバレありです!読みたくない方は回れ右。

ガタカ/Gattaca (1998・SF)

You are the authority on what is not possible, aren't you Irene? - 君は不可能なことに囚われてないか?

ヴィンセントがアイリーンに言った言葉。こう続きます:「みんな欠点を探して、それしか見えてない。…(中略)…できるんだ。可能なんだよ。」

『ガタカ』は遺伝子操作によって生む子供を決めていくことが当たり前になった時代を描くSF作品。どこかノーランの『インターステラー』を彷彿とさせる、SF×ヒューマンドラマチックなお話でした。これね、作品として完成されています。めちゃめちゃお気に入りになりました…。ハラハラドキドキしてエンターテインメント性抜群。努力vs遺伝子という普遍的なテーマをうまく扱いながら、ラブストーリーもあり担当医の温かい裏切りもあり最初から最後まで完璧。そして感動的なエンディングながら、後味がすごくいいわけでもなく。完全にファンです

紹介したセリフは、本当に努力して結果を出してるヴィンセントだからこそ言えることなんですよね。優秀な遺伝子を持っているということが逆にプレッシャーになってしまっているジェロームの心境までも変えてしまうヴィンセントには本当に不可能はないように見えました。

そういえばヴィンセントを演じた俳優さん、既視感あるなと思ったら去年観た『しあわせの絵の具』でも主演を務めていたイーサンホークでした。俳優さんの名前全然覚えられない…ジュードロウもユマサーマンも背景の映像美に劣らず綺麗。

フォレストガンプ 一期一会/Forrest Gump (1994・ヒューマンドラマ)

Life is like a box of chocolates. You never know what you're gonna get. -人生はチョコレートの箱みたいだ。開けるまで中身はわからない。)

数ある名言の中でも、一番有名なセリフ。事実私はこの映画よりも先に言葉を知っていました。諺か何かだと思っていましたが、これが元ネタだったんですね。

フォレスト・ガンプという一人の男の人の人生を描いた作品。頭が弱いというハンデを、天性の俊足と純粋な心で乗り越えていきます。ジェニーという幼馴染の女の子をまっすぐに愛す様が、なんというか澄んでいて。最後のシーンでジェニーに今まで見てきた景色のことについて話すこのやりとりが、字幕の翻訳の仕方含めて好き:ジェニー"I wish I could've been there with you.(一緒にそこにいたかった)" フォレストガンプ"You were.(君も一緒だったよ)"。

この映画を見ていると一見無意味なことでも意味があるんだなあって思えます。私はeverything happens for a reason /全てのことには意味がある、という考え方を座右の銘(というほどのものではありませんが)にしていて、いいことも悪いことも、理由があって起こったんだと日ごろから考えるのですが、なんだかそれに近い価値観が描かれていたなと思ってます。

基本的にとてもハートフルな映画です。そして名言だらけ。ちゃんと純粋なハッピーエンドだし、とにかく時代背景がものすごくうまく取り入れられてて秀逸です。ベトナム戦争以降のアメリカの現代史を全く知らないと少し退屈かも…。とはいえケネディ大統領暗殺とか、ウォーターゲート事件とか、文化的なところだとジョンレノンとかApple社の台頭とか有名どころばかりなので心配いらないと思います。

備忘として名言厳選5つだけ書かせてください。

You got to put the past behind you before you can move on.
「前に進むためには、過去は後ろに置いてきなさい」
I don’t know if we each have a destiny, or if we’re all just floating around accidental like on a breeze, but I think maybe it’s both. Maybe both is happening at the same time.
「ぼくらにはみんな運命があるのか、ただ風に吹かれてただよっているだけなのか、分からない。多分両方なんだと思う」
There’s only so much fortune a man really needs and, the rest is just for showing off.
「本当に必要なお金なんて一部だけ。残りは全て見栄を張るためのもの」
I’m not a smart man, but I know what love is.
「僕は賢くないけど、愛することがどんなことかはわかる」
Death is just a part of life. Something we’re all destined to do.
「死は人生の一部。誰もが迎える運命なの」

シェフ 三つ星フードトラック始めました/Chef (2014・コメディ)

ハッピーの渋滞みたいな作品。SNSで炎上して職を失った一流シェフが、料理への愛・仲間や家族との絆・そしてSNSの力を使ってフードトラックで大成功をつかむサクセスストーリー。フードトラックが完成してからは、とにかく暗雲が立ち込める隙もなくずっと明るい雰囲気が蔓延しています。アメリカを横断していくのですが、設定が夏休みだということもありどこにいっても陽気。音楽もいい。料理も美味しそう。基本的に美味しそうな料理の画って無条件に幸せな気持ちになりますよね。そして子役(エムジェイ・アンソニー)が可愛すぎるー!!尊いとはこのこと。親子の絶妙な関係の変化も見どころの一つです。

個人的にはもうちょい困難あってもいい(フードトラックのエンストとか小さいことでも(笑))とすら思ったくらい、気持ちよく見終えられる作品でした。SNSについての教育としてもいいかも。(注意喚起ほどにはならないかもですが)使いようによってはあなたの首を絞める凶器にもなるし、大きな力を授けてくれる武器にもなる。ツイッターでのやりとりの表現も、デジタル画面の描画とともに小鳥が飛んでいく感じで、かわいくて好みでした。

ティファニーで朝食を/Breakfast at Tiffany's (1961・ロマンス)

超有名なラブコメ映画。何気にしっかり見たのは初めてでした。とりあえずオードリーヘップバーンの美の暴力がすごい。ああああかわいいいいい〜、、、頭のてっぺんからつま先まで非の打ち所がないルックスに、奇麗なスタイリング。美意識爆上がりします。

名作と言われていますが、感想としてはエンディングに共感できず残念でした。「誰のものにもなりたくない」という、おそらく多くの女性が秘めているだろう気持ちを恥じることなく体現している、自由奔放で我儘な天然小悪魔ちゃんには、そのままでいてほしかったという個人的な願いがあります(笑)。とある小説家の男性と結ばれるのですが、腑に落ちない。また同じこと繰り返すでしょ?って気持ち…。「運命の人」とかっていうのを信じたい私としては、あの男性が他の人と違う描写が足りなかったな、むしろ"I love you and you belong to me”的なことを言っていて他の男性と何ら変わらなかった。結ばれるにしても、その決断が正しかった証拠として子供できて幸せな家庭を築くとこまで見せて欲しかったな…と思います。

※後から知りましたが原作の小説とはエンディングが異なるようです。

ただ本当はこの映画でホリーが選んだ道は「正解」だったんだと思います。自由を捨てて誰かと生きる覚悟がなければ幸せも得られないのかもしれない、と説得される思いです。まさに以下のセリフのように。あまり自分の恋愛観についてここで語る気はありませんが、かなりグサッと刺さります…。

何が問題か分かるかい?君は臆病なんだ。勇気がないんだ。危険に飛び込むのが怖いんだ。恋に落ち、互いを所有し合うことが人生なんだ。そうすることでしか本当の幸せは手に入れられないんだよ。君は自分を自由だと言ったね。野生の存在だって。君は閉じ込められるのが怖いんだ。だけど君はすでにオリに閉じ込められてる。自分自身が築いたオリにね。テキサスだろうとソマリランドだろうと、君の行くところにはオリはついてくる。どこへ逃げようとも、自分自身の中に逃げ込むのさ: You know what's wrong with you, Miss Whoever-you-are? You're chicken, you've got no guts. You're afraid to stick out your chin and say, "Okay, life's a fact, people do fall in love, people do belong to each other, because that's the only chance anybody's got for real happiness." You call yourself a free spirit, a "wild thing," and you're terrified somebody's gonna stick you in a cage. Well baby, you're already in that cage. You built it yourself. And it's not bounded in the west by Tulip, Texas, or in the east by Somali-land. It's wherever you go. Because no matter where you run, you just end up running into yourself.

本当に互いを所有しあうことが人生で、本当にそうすることでしか”本当の幸せ”は手に入らないのでしょうか。理解はできるけどまだ納得はできないので、いつか誰かと結婚することがあったらそれからまた見たい作品です。

そのころ私は、「自由を捨てたけど、それと引き換えに幸せを手に入れた」と言っているのでしょうか、それとも「自由を捨てなくていい人と結ばれて所有しあっている感覚なんてない。そして幸せも手に入れた」と言っているのでしょうか。

※「自由を捨てたのにあまり幸せになれなかった。」「自由でいられる人と結婚したけどなんかあまり幸せじゃない」なんてことにはなってない予定です。よろしくお願いします!←

パラサイト 半地下の家族 / Parasite (2019・ブラックコメディ/スリラー)

ジャンルにはまらない、類をみない作品です。貧乏なキム一家がお金持ちなパク一家につけいって「寄生虫」のように生きていくのですが、もう展開が全く読めなくて緊迫感がピカイチ。いろんな感情が揺さぶられます。監督が「見たいものを作った」とだけあって、細かいカメラワークにも様々な伏線にもいろんな拘りが感じられて見ごたえ抜群でした。後味悪いので積極的に人にお勧めはしませんが…。(笑)

格差という社会問題がメインテーマになっています。スキルは高いのに就職できない(・進学できない)家族が日の目を見ない社会構造に疑問を呈していて、けして韓国だけで起こっていることではない普遍的な課題だということもありかなり話題になったんだと思います。

ただ私はなんだかよりミクロな視点で「幸せとは」って考えてしまいました。登場人物、誰にも悪意はないんですけどおそらく全員不幸なんです。ストーリーの中ではふとしたきっかけで二つの家族がエンカウントしてどっちも地獄行きになるんですが、別にエンカウントしなかったからといって幸せな人生を歩んでいたかというとそうは思えなくて。そういった二つの家族の描写もすごく秀逸でした。

「無計画なほうがいい。計画を立てても人生そうはいかない。最初から計画がなければ関係ない」という台詞は物語のターニングポイントで、これを皮切りにすべてが、崩壊していきます。予想外の事態に対する対応力/フレキシビリティが欠けていたのが敗因だったわけですが、どうしても見終わって「うーん…」ってなっちゃいますね。よくある「お金はないけど愛はある貧乏家族」と「お金持ちで冷酷な裕福家族」との対比とか、「固い絆で結ばれた家族」が困難を乗り越える様子とかではない、唯一無二のストーリーだなと思いました。

きみに読む物語 / The Notebook (2004・ロマンス)

I’ve loved another with all my heart and soul; and to me, this has always been enough.-命がけである人を愛した―私にはそれで充分だ

冒頭から激熱な作品。久々にラブストーリーを見ましたが、とてもよかったです。純愛とはこのこと。上記のセリフ、フル尺だと「私はどこにでもいる、平凡な思想の平凡な男だ。平凡な人生を歩み、名を残すことなくじきに忘れ去られる。でもある一つだけ誰にも負けなかったことがある。命がけである人を愛した……。私にはそれで充分だ」なのですが、この価値観、恋愛をしなくても幸せになれる現代社会において、見直されるに値する価値観だと私は思います。

映像がとにかく息を呑むほど美しくて、構成も秀逸。ストーリーはかなりシンプル。貧乏な青年ノアと良家の子女アリーが恋に落ち、親に引き裂かれ、一度はお互い他の人と関係を持ちますが引き戻されるように一緒になり幸せをつかみます。そして老後、アリーは認知症になってしまうのですが愛の力でハッピーエンドを迎えます。わりかし初期の段階でオチは分かってしまうしその通りに物語が進むんだけど、それでいい。むしろそれがいい。不朽の名作ですね。

今回愛について、その形の一つとされる結婚について、まあまあ考えることになったので備忘代わりにメモしておきます。まず愛について。「愛とは、見返りなく何か・誰かを思いやる感情」だと私は思っているのですが、これはノアがアリーに向ける愛そのものだったように思います。ノアは最初から最後まで、アリーを幸せにすることしか眼中になくて、文字通りまっすぐにアリーを愛していました。

「最高の愛は魂を目覚めさせ、人を成長させる。ハートに火をつけ、精神に平安を与える。君がそれをくれた。僕もあげたかった。」「うまくやるのは難しい。努力が必要だ。でも俺は努力したい。ずっと君が欲しいから。一緒にいたいから。」ノアの名セリフたち。ああなんてかっこいいのでしょう。

さてノアがアリーにむけるそれは私の中の愛の定義と一致していましたが、アリーがノアに向けるそれはまた愛の別の側面を表現している気がしました。ノアを大切に思い慈しんでいるのはもちろんなのですが、「一体化したい」という類の意思があったと思っています。「わたしはあなたで、あなたはわたし」みたいな感じ。伝わりますかね…

すごく簡潔に言うと、ノアの愛は「あなたが幸せならそれでいい。たとえそこに僕がいなくとも」って感じで、アリーの愛は「あなたと共に幸せになりたい。」って感じかなあ。簡潔に言いすぎて大事な要素が抜け落ちたようにも感じるのですが…どちらが正しいとかどちらがより良いとかではなく、愛という実体のない、捉えどころのないものの違う側面なんだと思いました。

そして結婚について。貧しい家庭で育ったノアを選んだアリーとエリートなアリー父を選んだアリー母は対象的な結婚をしました。そしてアリー母は、実はアリーのように育ちが違う男性と恋に落ちた経験があることが終盤で明かされます。おそらくこの映画には、”世間体とか気にせずに、自分の心に忠実に、貧富の差なんて愛の力で超えていけ!”というような、アリーの選択が正しいとするメッセージが込められていると思います。実際に、現実社会には、色んな理由からそれを諦めている人が多いだろうからです。

ただ私は、映画の本来伝えたかったメッセージからは逸れてしまうかもしれないけど、結局別に誰と結ばれようと幸せになれるのだなと思いました。どちらかというと、誰と結ばれようと自分がその選択に責任を持つことが大事、という受け取り方をしました。だってアリー母は不幸には見えない。多少の葛藤や後悔はあったかもしれないけど、綺麗なお家で暮らして可愛い娘さんと最後は和解して、私にはそれは立派な幸せな人生に見えました。アリー母が心の底でどう思っているかはわかりませんが、自分の幸せは自分の心が決めるものだと思います。

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以上で2021年最初の映画記録を終わりにします。

かなり長くなりましたが、最後まで読んでいただいた方ありがとうございました。

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