見出し画像

忙しいという字は心を亡くすと書きますのよ

色々…本当に色々ありまして…
今後、あちこちで「現場の書店員の現状」など
描いていこうとは思っているのですが…
とりあえず、このままだと心も体も完全に壊しそうだったので
そのまえに撤退!という感じです。

今後、無理しすぎないように自戒の念を込めて+
お仕事を頑張っている皆さんへ
こういう傾向があるとマズイ…ので
お気をつけ下さい!無理しないで!

の意味を込めて記しておこうと思います。


辞めると決心する前、半年ほど私はこんな感じでした。

TwitterなどSNSではなるべくネガティブな事を
書かないようにしている為、
書く時は何とか気持ちが上向きな日に
必死に考えてやっと呟くことができるレベル…
しかし、次第に自分の考えや思いを表に出し
言語化できなくなり、そのために頭を使う気力がなくなり始めました。

描きたいことはあっても、絵をコマとして構成し
頭の中でまとめたり絵にすることができなくなっていました。

また、精神的に弱っているからか
以前、本を出版した時に
心無い言葉を投げつけられた事などを思い出してしまい、
ブログや絵を描こうとしてパソコンを開こうとすると
冷汗や震えが止まらないのです。
疲れている上に精神的負担を更に増やしたくなかったので
パソコンに触る事もなくなりました。

後々忘れないように、POPを描く時困らないように…
そう思って欠かさずに付けていた感想を
「どうでもいいや…」と思うようになりました。

私は情景を思い浮かべ物語に入り込んで読むタイプなのですが
話に入り込めないどころか
何度も同じ所を読んでいたり
そもそも本を読む気力がなくなってきます。
仕事上で読まないといけないゲラですら読むのがしんどい状態です。

ただ、そんな状態の私を救ってくれたのはコミック…!
小説より視覚的に入ってくるので読みやすく、
小説と同じように心動かされ
動かなくなった気持ちを持ち上げてくれる…
何度やる気と元気を分けてもらった事か…!
好きなコミックの発売日だから
頑張って出勤する、なんて日もありました。
「こんな面白いものを脳内で創り出し
絵として視覚化できるなんて漫画家さんってスゴイ…!神かよ!」
と感動と感謝しきりでした。

「売りたい本を売る為に描く」から
「売り上げを伸ばす為に、とにかく描く」
という「義務」になってしまったのが原因かと思います。
通常業務で毎日残業の中、
休みの日にしかPOPを描く時間などとれないのに
売り場のPOPが少ないと、偉い人から
「POP減ったなぁ」と言われるのです。

仕方がないので休みの日にPOPを描き、
仕事中に見きれない新刊情報や売り上げ動向をチェック…
休みの日くらい休みたい
好きだったPOP描きも
そんな気持ちで嫌々描くようになっていました。

猫で癒されよう、とかそれ以前に
何もする気が起きずボーっとする時間が増え始めました。

元々しゃべってはいないですが…(笑)
物心つく前から猫や動物にアテレコする癖があり
いつも何かしゃべってくれているように思っていたのに
何も思い浮かばなくなりました。

無理にPOPを描こうとすると震えてしまったり
気分が悪くなるようになりました。

元々お腹が弱いですが、この頃はもうストレスでお腹は壊しっぱなし、
毎朝「今日は〇〇文庫の発売日だから行かないと店頭に並ばない…」と
自分に言い聞かせて出勤していました。

幸い「仕事は仕事」とスイッチを切り替えられるタイプなので
出勤さえしてしまえば普通に勤務し、接客し、残業していました。

けれど帰る頃には疲れ切ってろくに夕飯も作れず
旦那さんにたくさん家事を手伝ってもらい…
部屋も荒れ果てていて流石にマズイ…
「辞めた方が良いかもしれない」とは思っていました。


辞めよう!と決心した主な原因は
業務の多さに加え
ほぼ人災というか問題のある上司から派生する問題でした。
(どちらかというとそれまでも、その人から生じる問題に
対応する事で徐々に心の方もまいっていったのですが)

もう年明け前から友達や家族からは
「その店はおかしい、体を壊すから辞めた方が良い」と
心配され、言われ続けていたのですが
大好きな文芸文庫の売り場を完全に任され、好きに展開し、
売ることができる担当と立場が諦めきれず…
ズルズルヨロヨロ働き続けていました。

しかし、7月のある日。
「今まで耐えてきたんだから大丈夫だろう」と
思える程度の出来事。
上に掛け合って仕事があふれかえっているのに
ミーティングを繰り返しました。
問題の上司と話し合って説得してなんとか改善しようとしました。
耐えていればいずれ改善できると信じていた。
でも耐えてきたからこそ、決定的に
もうこの会社ではやってられんわ!いつまで耐えればいいんだ!
「本が好きなのを良い事に使いつぶされる!」
と思える出来事があり

(曖昧な表現でわかりにくくてすいません…
嫌で辞めたものの、まだその書店には
尊敬する上司が勤めているのもあり
万が一、その書店に迷惑がかかるのも嫌なので
今はふんわりとした表現にしておきます)

「あ、辞めよ。この店は、この会社はおかしい。
これ以上ここでは頑張れない」と、
ようやく踏ん切り、退職する事となりました。

何とか引き継ぎなども終え、無事退職。
辞めてからは、荒れ果てた部屋をひたすら掃除し
猫とたわむれました。


すると気持ちに余裕ができてきたらしく
少しずつ思った事や感情をアウトプットできるようになってきました。

SNSで呟いたりすることで
考えをまとめたり感情を表に出すリハビリ?をして
ようやくたまっていた読書感想文を
少しずつですが書けるようになり
今、こうして気持ちをまとめられるようになってきました。

「書店」から離れる事でようやく感じたこと、
増える活字離れ、紙の本の、そして書店の未来…
折角、ゆっくりできる時間を手に入れたので
色々考えていきたいな…と思っています。

この記事が参加している募集

愛猫と日常を記したり、本をオススメしたりしています。