向こう側の隣人
ツイッターで、確か最初はフォローをされたんだと思う。
昔は割とこまめにフォロバをしていたのだけど、botはフォローしたくなかったので、少し中身を眺めて向こう側が何者なのかを判断してからフォローしていた。
その人は、私とは全く別の主義を持っていて、興味関心のある事も正義のある場所も恐らく環境もほとんど噛みあわないだろうタイプの人だった。でも人だったのでフォロバした。
別にいいねをするでもなく。お互いに何のやりとりもなく。ただお互いのツイートを眺めていたであろう半年くらいたって私は、個人的なアカウントと同人サークルのアカウントを分けないと情報がごっちゃになってしまい何がなにやらわからない状態になったので、とりあえず新しいアカウントをつくり、そちらでフォローした。
その時、初めて挨拶された。「認識されてるとは思わなかった」みたいな事を言われた気がする。
それから二年くらいたって、何らかの折に初めてリプライした。まるで初々しい、今までの過激なツイートはどうした? と言いたくなる、初めて対面した若い二人のお見合いのようなやりとりをした。
その時に、なんとなく、同じように考えていた人なんだなと分かった。
多分、お互いに、自分の主張が世間一般のものではない、誰の代弁者でもないただ一人の意見であるという事を知っていて、それに対しての共感を得たいとは思っていないんだろうなと思う。
仲良くなりたいとは思わない、お互いをもっと知りたいわけでもない、むしろ距離が近くなったら反発することもあるかもしれない。向こうの島とこちらの島と、漂流物が流れてきたことで相手がまだ生きてるんだなと知ることがある、程度の距離感。
相互を理解しない事で繋がる人。そういう人がいる。
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