猫は家に住むのか人に住むのか その1
お外で生まれ保護した我が家の猫たち。
野良経験はほとんどない。
この家に来て初めは行き場所がなく部屋の隅で「しゃあしゃあ」言っていたけれど、慣れるにつれて自分の場所を確保していった。
ぽかぽかとおひさまの当たる窓辺で、電線でひと休みしているすずめを眺めて、バス停で待つ人を眺め。雨の日は窓に当たる雨を驚く目で見つめていた。暑い日は北側のひんやりした廊下で長くなってクールダウン。静かに寝たい時は押し入れの奥でひっそりと寝ていていなくなったと思い何度探したことか。冬は定番のこたつの中。仕事で留守にする時は小さなホットカーペットを敷いて暖をとれるようにしてあげた。
時にはリードをつけて小さなお庭をお散歩したり、猫との生活はそれはそれは楽しいものである。
ご飯の場所を覚え、トイレの場所を覚え、先住猫すずちゃんと新参者りんちゃん、それぞれが自分なりにこの家で生活していた。
先住猫が亡くなって、甘えん坊になったりんちゃん。昼間はゆったりとのんびりと過ごしているが私が帰ると足元につきまとっていた。
ある日突然私がりんちゃんを残して家を出るまでは。
この家があるから、自分の居場所があるから、自分の匂いがあるか、何がりんちゃんにとって幸せか悩んだ末の決断。ごめんね りんちゃん
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