作品遍歴(by 柴本和己)

社会人文芸サークル「すずりどり文庫」の柴本和己です.自己紹介に代えて,自分が作品を作るうえで影響を受けてきた作品を紹介します.今回の記事は、すずりどり文庫メンバーが「人生で出会った作品」「人生や創作に影響を与えた作品」を紹介するというサークルの企画です.柴本は以下の作品を紹介します.

『おもしろい話が読みたい! 白虎編』

中学校入学2日目に学級文庫で遭遇しました.当時の青い鳥文庫を代表する小説家たちによる渾身の作品集で,青龍編と白虎編の2冊を一気に読破しました.小学生時代には青い鳥文庫に触れず海外作品多め(エミリー・ロッダやラルフ・イーザウなど.日本人を挙げるなら星新一)だったので,青い鳥文庫および作家群との出会いは転換点でした.後に各作品のシリーズに手を伸ばし,最近の作品はおえていませんが今でも彼らのファンです.この頃から小説家を生涯目標に掲げています.
 令丈ヒロ子 他4名,おもしろい話が読みたい!(白虎編),講談社,(2005)

ミステリーの誘惑『夏季限定トロピカルパフェ事件』

高校生の頃,地元にあった古本屋の閉店前セールで遭遇.米澤穂信作品は中学時代に『インシテミル』を読んだのみだったため,小市民から米澤穂信にドはまりしました.このころから騙される爽快感に病みつきになり,今や立派な中毒者.はやみねかおる,米澤穂信,北村薫(柴本の認知順)の影響で日常の謎を最強要素の一つと捉える脳になってしまった,のかもしれません.このころから「謎を作品にどう活かすか問題」に頭を悩ませています.
 米澤穂信,夏季限定トロピカルパフェ事件,創元推理文庫,(2006)

鳥肌が立つ読書体験『魔王城一限目』

ライトノベルは中学生時代から読み始め,高校生時代に柴本はどうやらファミ通文庫の作品と相性が良さそうだ,と気付きます(富士見ファンタジアも好きでした).好きな作品は『“文学少女”はガーゴイルとバカの階段を昇る』内の各作品や,泣かされた『黒執事マルク』シリーズですが,ライトノベル耐性が薄い方にもお勧めして手ごたえを感じてきた本書です.読み手に重い問いを繰り出す不意打ちは,謎が解かれるのと同様に強烈な読書体験でした.「謎にこだわらずどうやって一発与えるか考えたい柴本」はこの頃に生まれたかもしれません.
 田口仙年堂,魔王城一限目,ファミ通文庫,(2008)

最後に

現在の柴本はこれらの作品に影響されています.興味を持たれた方はすずりどり文庫の作品をぜひ.すずりどり文庫の他メンバーの記事も読んでいただけるとありがたいです.

柴本和己の作品は以下に収録されております.



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