地方俳壇の現状ーベテラン俳人の他界

　地元のある協会のベテラン俳人の逝去を最近知ったが、その方が幹事や代表を務めていた句会のメンバーはどうなるのだろうか。高齢の古株のメンバーの大半がこれをきっかけに句会を辞めるだろう（俳句も辞めるかもしれない）。最近入ったばかりのメンバーはまだ句会に残る可能性がある。

　ベテラン俳人が若年者を後継者指名をしていた場合、その後継者は、前の指導者より選句や指導を甘くしないと、句会のメンバーが散っていくのを止めることができない。句会としての「形」だけは、当面どうにか維持できるだろう。しかしながら、句会の「句の質」はうんと下がる。

　指導ノウハウ・厳格な選句基準を持ったきちんとした指導者は、いつの間にか居なくなり、かくして句会は、年配者のお話会となる。選句や指導を甘くして、句会や結社への勧誘するだけの指導者であふれていく（だから、地方の小句会では類想句や月並句に点が入るのかもしれない）。

　残念ながら、これが地方俳壇の現状と言わざるを得ない（同じ結社の仲間内だけで小さくまとまり、褒め合うだけの句会を続けているのでは、進歩がない）。