「学校では教えてくれない!国語辞典の遊び方」で辞書擬人化男子に萌える

 ブログを書いていると、「これをどういう言葉で表現すればいいんだ?」「この言葉どう使い分けすればいいんだ?」と悩む事はしょっちゅう、いつも同じ様な言い回しになってしまい自分の語彙の無さに落ち込んだり、ネット検索よりやっぱり国語辞典が欲しい…と思うようになりました

 そんな時、図書館で目に入ったのがサンキュータツオさんの「学校では教えてくれない!国語辞典の遊び方」です

 ”選び方”じゃなくて”遊び方”ですよ、辞書を読むって話す人は見たことあるけど、遊ぶという発想は普通に無いですよ、めちゃくちゃ気になるじゃないですか!

 ※ちなみに私が借りたのはソフトカバー版なので文庫版では内容が変わってるかも知れないです

 本書を開いて目次の次に目に入るのが「この本に登場する主な辞書」というページ、辞書の表紙の写真の横に描かれた擬人化された辞書イケメン達のイラストが目を引きます

 次のページにはチャート形式の辞書占い、お硬いイメージの国語辞典を親しみやすくする工夫?…いえいえそんな甘いものじゃありません。本書の中盤からこの辞書擬人化イケメン達の魅力が炸裂(?)します。それは後において本の紹介にまいりましょう

 国語辞典って学生の時に必要だからなんとなく本屋にあったものを買う、多少例文なんかが違う位でしょ、と思ってたけど実は同じ言葉のページでも辞書によって語訳や用例も違う、レイアウトだってそれぞれに特徴がある。「美しい」という言葉を示すのにこんなに様々な解釈があるんだと驚きました

 しかも版によって語訳も変わっていくのです。
本書では新明解国語辞典での「恋愛」についての語訳を取り上げてたのですが、版を重ねるうちに要素が増えたり解釈が変わっていくのを見るにつれ、新明解君にも色々あったのね…と彼(?)の成長を思わずにはいられません、特にね第6版で大きく変わる語訳を見ると、5版まで妄想中心の恋愛下手な少年が6版に至る間に本気の恋に落ちたのでは?と邪推したくなる程の大きく変化するのがとても面白い

 語訳や用例だけでなく、それぞれの辞書には、収録する言葉もそれぞれ特色があって、みんな同じようなものどころか、それぞれのこだわりてんこ盛りで特色が分かりやすく現れてる物なんですね

 作者のサンキュータツオさんは学者でありながら芸人をされてる方で、話し言葉に近い語り口の文章がとても上手く、とりあげる言葉や挿絵への視点も面白く、国語辞典のイメージからちょっとおちゃめな所もある親近感のある奴らになってしまうんだから凄い

 それに加え国語辞典のルーツから、国語辞典を作った人達の熱い思いやそのドラマを語られれば、国語辞典ってお偉いさん達が作ったものじゃなく、言葉を愛する先生達の思いとこだわりが凝縮された熱い書じゃないか、とすっかり印象が変わってしまいました。思えば「チコちゃんに叱られる!」などテレビにでてる国語学者の先生って面白い人結構多いですよね

 でも、この本で更に面白いのは中盤以降のオススメ辞書のお話です。「キャラクターで解説!個性派辞書図鑑」として、序盤数ページにあった辞書擬人化イケメン達の魅力が存分に発揮されてます、まさか国語辞典の紹介で萌える日が来るとは夢にも思わなかったですよ

 そもそも、私自身は擬人化をあまり好きじゃないですが、本書の辞典の特色とともにイケメン君達の性格や行動に例えた語りや妄想語りが具体的でまぁ細かい、そのおかげでキャラクターが魅力的で、ちゃんと地に足をついてる感じになってて、辞書の解説読んでるのにキュンキュンする不思議な感じ

今、私が欲しい国語辞典はベネッセの「表現読解国語辞典」なのですが、経験豊富な現場主義なキャラでワックスで固めたであろう動きのある短髪に、首からお守りを下げ、パンツにチェーンを付けたワイルドなイケメンが恋の相談をすると「いまのあなたの人を好きっていう感覚は…」と丁寧に教えてくれる…って何そのギャップ萌え
首からお守り下げてるのがなんかいいよね

明鏡国語辞典のスマートな渋谷系今どき少年「明鏡くん」もいい、偏見を持たず、新語も俗語も積極的に取り入れる、気さくで、ちゃらそうに見えるけど、実自分の信念がある熱いやつとか、そんな男友達いいよね、でもきっと人気者

 そんな辞書イケメン…もとい辞書解説が10冊分、またイケメン君のイラストも服装や雰囲気がどこかレトロで、上手くキャラクターの特徴を表現できてるからまた凄い

文章を書きたい、読みたい、もっと日本語が知りたい人に、こ難しそうな国語辞典のイメージが身近なものに変わって辞書を引くのが楽しくなりそうな本でした

 ベネッセの「表現読解国語辞典」は書店では見かけなかったので、ネットで注文しました。この本を読んで書店でいろんな国語辞典を開いてみたけど、ベネッセの辞書が一番見やすかったです、あと言葉の運用に特化した辞典なので文章書き向きの読める辞書なんだそうで楽しみです。

 この本を読んだあと、部屋の片付けをしていたら学生時代の国語辞典が出てきました。ちなみに新明解国語辞典のポケット版でした。新明解君は余白恐怖症なのかという位に詰まりまくってますね、ポケット版だからかしら。ちなみに手書きでノート書いてる時は学校でもらった角川の現代実用国語辞典を使っています

ベネッセの「表現読解国語辞典」は2冊め向きの辞書らしいので2冊とともに活用したいと思います
きっと語彙も増えれば記事の文章も洗練されるはず…はず

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