すず音

青い空白い雲 しっとり降る雨 猫との暮らし 生きることの意味 一人暮らし

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最近の記事

真夜中は違う自分が棲んでいる

今年は冷夏になると 六月の頃にどこかで読んだ記事があった筈なのに 目が醒めた途端に 喉までじりじりする空気が流れている 日が落ちて やっと涼しくなっても 仕事のリストは結構残っている 家の前を通る車もない夜になると 交差点の信号は点滅を繰り返す 明るくなって後悔する事は分かっていても ベッドに入る気持ちになれないのは この暑さのせいなのか 新月の光はどこにも届かないけれど 雲の隙間に痩せた顎をのせて 世界の繰り返しをずっとずっと見ている

    • 昨日と今日は何も変わらない

      届けを出した昨日は 今日と何も変わらない 同じ朝を迎えて お弁当を支度して 職場へ向かう 2年も離れていると 貴方のいない毎日は普通になって 結婚していたことすら 思い出せなくなって 月日は過ぎてゆく 心の支えになって 幸せにする なんて言ってた人は とうとう戻らないところに旅立って ひとりぼっちになったわたしを そっと こっそり 見てくれるのかな?

      • 126日間 ありがとう

        泣かないで帰ってきました きちんと書いて きちんと提出して ちゃんと受理されて 短い時間だけど 向かい合ってご飯食べて 何気ない事で笑って 幸せでした どこかで笑って見ていてね まだまだ こっちですることがあるようで 九つも歳下の貴方に 追い越されるなんて 泣かないで帰ってきただけでも ほめてね

        • 秋の代名詞

          暗くなって ライトアップが始まると モコモコに着込んで 紅葉を見るわけでして なんでここが好きなの? よくきかれたけどね ここには私が持っていないものが たくさんあるわけで いつでも好きな時に来れるあなたが 本当に羨ましかったよ 二人で歩いたあの時間は 二人の心の奥にしまっておくね 浅間山も冠雪して 間も無く雪の季節

        真夜中は違う自分が棲んでいる

          姨捨

          スイッチバックを見るのも良い 駅からの眺めも楽しい ここからの眺めも良き 一人でちゃんと来たよ 奈良井も姨捨も烏帽子も 約束通り ちゃんと制覇 明日は二回目の結婚記念日 二人で祝うこともなく 仕事で誤魔化してきた 二人の時間 どんどん忘れてしまう 明日は何をして過ごそうか

          奈良井の猫

          どこに出かけても猫がいる 猫に目が行くのはなんでかな 外猫も家猫も みんな無事に暮らしているのかな? 奈良井は変わりなくそこにあった 水の神様にご挨拶 Aquarius 私の守り神 また来年も必ず来ます

          奈良井の猫

          馬籠の猫

          そらにはこじゃれたカフェで珈琲を一服 目の前を猫 ここにも猫がいるんだな 水車がカタカタいっている 空に雲一つない 空が青いねえ 人のいない宿場町はかえってさみしい 独りで歩くことになるなんて 人生は皮肉で凸凹が多すぎる

          馬籠の猫

          いつでもそこにある

          女の子のくせに どうしてそんなものが好きなの? 母親の口癖は 「女の子なのに」 父親からカメラの手ほどきを受けると 早速撮りに出掛けたのは 蒸気機関車だった 小さな子だった頃 自宅の線路の前を通る姿に一目ぼれ そこから 飛行機 鉄塔 橋 鉄ものに憧れる日々 千歳基地でイーグル撮った後 雪まつりで軽い肺炎になり 随分親を泣かせた だけど 残念なことに 鉄もの熱は益々沸騰している 本山の鉄塔に今年も会えた 彼の運転で毎年会いに出かけたけれど

          いつでもそこにある

          台風が来てるね

          備あれば憂いなし前もってわかっていても 身動きとれない時もある 早め早めに 出来ることを今

          台風が来てるね

          泣きたい時もある

          上田のお城の下は 昔 電車が通っていたらしい 四季折々の花が咲き これからは 紅葉の季節 倒れる前の日 満開の桜を観たね あの桜を覚えている? ただ ただ 泣きたい日がある ぐっとこらえても こみ上げてくる 泣きたい時は思い切り泣く 解毒の涙は 静かに流れ落ちる

          泣きたい時もある

          誰もいない

          朝早くの街並みは朝の冷たい冷気が残って シンと 静まり返る 小さな坂も ふうふう言いながら 登ったね 小さな水車が 沢音に負けないように ガタンカタンと 回っていたね 山の間から小さな空が見える 木曽は山の中 藤村が響く 妻籠 二年ぶりの街並みは どこが変わって 何が変わっていないか 私には 分からない

          誰もいない

          簡単に割り切れない

          昨日 二人で暮らした家を 見に行くと そこは更地になっていた 二年前には 小さな家が確かにあって 二人で過ごした時間が 確かにあった あの頃の二人は もうどこにもいない 私の海馬に残る記憶と 彼の頭の中に かすかにでも 張り付いているのか 過ぎてしまった時間は 取り戻せない あの頃確かに 私達の暮らしはそこにあったのに 形をなさない 小さな思い出になってしまった 取り返せない 短い短い幸せ もうここにくる理由が なくなった 下を

          簡単に割り切れない

          お帰り

          ただいまよりお帰りが好き門の外燈が付いていない 暗い車庫を抜けると 足元は更に暗くなる 家の灯りが無いと こんなにも寒いのか カバンから鍵を探すのも一苦労 小さな鍵は 家を出る時カバンの上に入れたはず 薄暗いポストの前で 毎日同じことの繰り返し 探すときは決まってカバンの下の 反対側に見つかるんだから こんな日はドアだって 簡単には開かない ガチャガチャとレバーにあたると 中で猫が鳴いている 玄関マットは暖かい やっと家に灯りがついて 日常

          朝日の色を覚えている

          母親の実家は片倉小十郎氏の配下の武士で 20何代目とかの大きなお屋敷で 高い高い天井の 黒いススだらけの天窓があった 母親と泊まる時 囲炉裏と土間のある部屋が大好きで 朝日の差し込む前に目がさめると 毛布をかぶってカタカタ震えながら 竃門神の前にうずくまり 朝日が梯子のように 部屋の中に入り込み 室温が少しづつあがって 暖かい空気の中に 小さな白いホコリが舞うのを ワクワクして待っていた ひいおばあちゃんのナミさんが 囲炉裏に鍋を掛けるのを

          朝日の色を覚えている

          使えなかったもの達

          倒れた後で届いたもの夫婦箸 結婚のお祝いは 色違いのお揃いや 二つで一つが溢れてる 手元に届いて二年 あと少しで二年目になるはずだった 二人の時間と記憶 二人で祝うこともなく 彼の目に触れることもなく これらのもの達は私の家に連れてきた 猫と一緒に 目に付くところにおきたくないから 引き出しの奥に蓋をして 閉じ込めておく 皿と茶碗と丼と 二年目はどこで過ごそうか 一人でケーキも食べたくないし ごめん 貴方の声が聞こえてこない 何もかも置い

          使えなかったもの達

          海の幸

          今年は秋刀魚が不漁ときく 昨年は一匹100円程度だったのに 今年はサイズも小さく 昨年の三倍近い値段だった こんな小さい秋刀魚 久しぶりにみた気がする 海からたくさんの恵みを受けたが そんな年もある 冷凍された小さな頭が 売り場に左向きに並べられると 季節の変わり目の早さに驚く 寒さは一気に加速して 間も無く雪の季節がやってくる また 春を待ちわびる毎日がやってくる 秋刀魚の家族はどこにいるんだろう 家族がいなくなって 寂しくはないのかな?