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1198文字 〜占い館・呪い館へようこそ~ #創作大賞 #ホラー部門

〜占い館・呪い館へようこそ~


「『占い』ますか?『のろい』ますか?」

普段は占いに興味がないのに、そんな貴方が吸い込まれるようにして訪れた『占いの館』。
占い師は、訪れる人によって姿を変えるという不思議な店。

占いの種類も多種多様。きっとご満足いただけるでしょう。悩みは人それぞれ。しかし占いだけでは解決しない事も。

そんな時は
「『のろい』をご用意させていただいております。」


悩みを抱えた老若男女。本当にのろいは存在するのか。
『占いの館』か『のろいの館』か決めるのは貴方です。

【235文字】


※この小説はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。

第1話【1198文字
愛してる

「『占い』ますか?『のろい』ますか?」
占い師の男性が微笑みながら、私に問いかける。

相談のつもりで占ってもらっているうちに、段々と自分の気持ちに気がついた。
子育てに必死で、ようやく自分の時間ができた。夫は全く子育てや家事に協力的ではなかった。専業主婦として生きてきた結果、自分が何なのかわかなくなった。

きっかけは、夫の浮気。仕事が忙しいと言われ一人で子育てをしてきた自分が裏切られた様に感じた。

女としての魅力はなく、妻ではなく母親として存在していた自分。夫を問い詰めもせず、逃げるように子育てをする事で自分を誤魔化してきた。

子供達が成長するにつれて、段々と夫の行動が大胆になってきた。スポーツに興味がなかったハズがゴルフを始めた。今まで気にしなかったスーツや、靴下などの小物も新しくしていった。

帰るのは、ほとんど日付けが変わってから。夫の夕食は冷蔵庫で眠る事が多くなった。


占い師の言葉に魅力を感じた。
「呪います」
そう答えた私。

占い師に言われた手順で血判を押した。大きめのビーズネックレスを購入し、占い代金と合わせて支払った。
普段ネックレスもイヤリングもつけない私。デザインも派手で、普段だったら選ばない様なネックレスを持ち帰った。


久しぶりの家族旅行。あのネックレスをつけるが、家族は何も言わない。子供達はもう遊園地では喜ばない歳になっていた。訪れたのは新しくできたアウトレットモール。好きな物を買ってあげると伝えれば笑顔を向けてくれる子供達。個々で買い物を楽しみ合流してランチを食べる。久しぶりの家族の食事。

帰りの高速道路。子供達は後部座席でイヤホンをつけてスマホをいじっている。私はメールを確認する。
『ご利用明細・スピード決済ご案内』
届いたメールをタップすれば、家族カードで支払われた店舗と購入商品が記載されていた。夫のカード履歴の中にブランドモノのピアスを見つけた。

少しだけ夫に期待していた。やっぱり裏切られていたのだと確信した。

高速道路をスムーズに走行していく。
夫に話しかける。
「私の事愛してる?」
一度も言ったことのない台詞。
「ああ、愛してるよ」
前を見ながら滑るように唇から漏れた言葉。

聞きたくなかった。
愛してるなんて言葉。
そんな事、今まで一度も私に言ってくれなかった。視界がボヤケてきた。自分が泣いているのだと気づくのに、少し時間がかかった。


「誰かと間違えてるんじゃない?」
そう言うと、こちらに目線を移した夫。
私はネックレスに手をかけて、思いっきり引っ張った。弾けるビーズ。

キラキラと夕日に照らされて眩く散っていく。そして強い衝撃が全身を覆った。視界は赤とも黒とも言えない。ただ夫の大きく見開いた目と目が合った。


愛してる。
夫の事を。
だから呪った。
夫を呪えば私にも呪いが返る。
人を呪わば穴二つ。

私は夫に愛されたかった。
最後に私のわがまま聞いてね。

愛してるなんて気軽に言わないで。




長文が書けないし、ネタもありふれているんだけど、こんな様な話しでホラー部門にエントリーしようと考えてる。
短編のオムニバス形式なら1本3500字程度で、5本書けば2万字にとどくかな?って感じ。

自分の好きなようにすればいい。それがnoteだとはわかっていても。なんとなく優しいフォロワーさんのコメントが欲しくて1話を試しにあげてみた。
ちなみにまだ5話分かけてないので、結果的に応募出来ないかもしれない(笑)

なんとなくモヤモヤしながら書くより、もっとホラーとして怖くなければいけないのかなぁとか悩んでいる。ヱロチックな部分入れるとnote規約に反しそうだし、残酷すぎてもNGっぽいので(*ノω・*)テヘ

ちなみにコレは仮の1話で、ちゃんとした1話では占いの方法とか様子とか書こうとは思ってる。


#創作大賞2024
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