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『安楽死制度』導入 #強すぎる数え歌  #毎週ショートショートnote

施設内には、カプセル状のベッドがある。
ベッドへ若者が横たわると
穏やかな表情で、
ゆっくりと目を閉じた。

『安楽死の認められた世界』


地球温暖化、AIの進歩が進み
自己肯定感が低い者達の
自殺が多発した。

自らの命を完全にたつ事は難しく、
自殺失敗者の医療費負担が増した。
その為、政府は
『安楽死制度』を導入した。


安楽死制度を使用するには
臓器提供が条件だった。


同意書さえ書けば
あとは簡単だった。
薬を服用し気分を落ち着かせ
ベッドに横になる。
カプセルの蓋が閉まり。
睡眠薬が霧状に撒かれ
ゆっくりと永遠の眠りに落ちる。


カプセルの横で
医者が強すぎる数え歌を
口ずさむ。

「1つ、人として
2つ、負担にならずに
3つ、未来へつないでいく
4つ、世のため
5つ、いつの日か
6つ、無にならず
7つ、名も無き者よ
8つ、やっと役に立つ
9つ、ここから旅立つ
10、父さん母さんありがとう」


数え歌の終了と共に
生命は臓器へと変わる。

そして
必要としている人達の
生きる未来へと繋げていく。

【412文字】


#強すぎる数え歌  
#毎週ショートショートnote

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