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胸いっぱいのアイと情熱をアナタへ─スズタニの決意─

胸いっぱいのアイと情熱をアナタへ♯46|まくら

↑の後の小話



小鳥遊先生の許可をもらい
スズタニは
カヲルの側にいた。

カヲル、全治5ヶ月。

きっと他の奴らは、多分半分も
しない間に全回復するだろう。
どいつもこいつも、全く化物級だ。

ただカヲルは……。

まだ幼さの残る頬に手を添える。
この子に戦いから、裏のイロハを
教えこんだのは私だ。

教えたからって完璧に
出来るもんじゃないが、
器用に応用して、こなしてきた。

ただ今回の戦いには
正直連れて行きたくはなかった。

天王寺の指定した日が
冴子の完治を意味する3ヶ月だと
すると、尚更連れては行けない。
5ヶ月後だとしても。

私がカヲルの代わりに
落とし前をつけてやる気でいるが、
サカガミの言った通り
今の状況じゃぁ敗北確定だろう。

個々の身体強化と能力強化。
体力馬鹿の2人は、どうにかなるだろう。

私には珍しく
ため息が漏れた。

カヲルが弱い訳じゃない。
それは私が一番よく知っている。

リミッター。

リミッターが外れたカヲルの
ポテンシャルは、私の技術を超えていた。
ただ、その時はカヲルが
カヲルでなくなる。


そうならない為に、
段階的にリミッターを設定させ
それぞれを強化していった。

だからわかる。この子を
連れて行ってはだめだ。


何、馬鹿な事を考えているんだ。
私らしくない。
死にたい奴は死ねばいいし、
弱い奴は死ぬ。
そんな世界じゃないか。


カヲルにここまで情が湧くなんて。
私が年取ったみたいな感じじゃねぇか。

考えがまとまらず
ニコチンを摂取したくなった。
だが、もう少し我慢する。
今は少しでもカヲルの側に
いてやりたい。




「一緒に死ぬか?」
まだ眠っているカヲルの
髪を撫でる。

むにゅむにゅとかわいい
寝言を言う妹に吐く台詞じゃない。


あの子にカヲルを
重ねている自分に気づき
頭を強く横に振る。


情けないのは、性に合わない。
ど派手に行こうじゃないか。


自分自身の能力強化。
まずは自分自身が
生き残らなきゃならない。


小鳥遊先生にあの事を伝える為
スズタニは病室のドアを開けた。


ニコチン摂取中








本編が
クライマックスに
なっちゃったよぅ!!


読んでない方、
まだ間に合いまっせ!!【宣伝】

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