中小企業の医務室　アメリカ製保健室　#ショートショート　#毎週ショートショートnote

大手の内定を蹴った先輩が
中小企業に就職した。

サークルの飲み会で
俺は気になって
先輩から理由を聞き出した。

その日から俺は
先輩の会社に就職する事を決めた。

就職できれば、どこでもいいや。
なんて考えだった俺は
ビニール袋に入れて燃える日に
出した。

そして、見事に『内定』の
2文字を勝ち取った。

居酒屋で報告すると
先輩は苦笑いをしていた。

入社式後、俺はすぐに
仕事に取りかかる。


資料を素早く、まとめている時に
コピー用紙で指を切ってしまった。

俺はすぐに上司に
「医務室に行ってきます」と
血が滴る人差し指を見せて
医務室に向かった。

『医務室』
社員の間では
『日替わり保健室』
と呼ばれてる場所。

その日によって
担当医が変わるのだ。
俺は『アメリカ製保健室』の日を
狙っていた。


噂の扉を開けた。

そこには、金髪美人女医
キターー！
心の中で叫ぶ。

俺が人差し指を見せると
丁寧に処置してくれた。

幸せだ。

この時俺は、まだ
給料から医務室使用料が
差し引かれる事を知らなかった。

【410文字】

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