真実は意外と近くにある。　#優先席の微世界先生　#毎週ショートショートnote

『微世界研究』の発展。
未来、宇宙、過去、現代
その全てに存在する『微世界』

科学者は、日夜研究に
追われ、次々と論文を発表した。
『微世界』への関心も
徐々に一般化してきた。

と言ってもまだまだ
一般人が理解するには難しい。
これを説明できてこそ『微世界』は
認められる。

幼い頃から父のラボで
『微世界』について学んできた
私は、独学で自身の『微世界』に
ついての論文をかきあげた。

しかし、父に報告するのを躊躇った。
父は優秀な私を望んでいない。
幼く可愛い無垢の少女として
ラボに連れて来てくれている。


父の研究場所で私は
静かにお絵かきをする。
研究を繰り返す父の顔が好きだ。

私は用意された優先席に座り
自分のパソコンで研究を続ける。
父の研究の手助けをしたい。
そんな想いで、
海外サーバーを利用し
私は架空の学者となり
父とメッセージを交換する事に成功した。

父から「微世界先生」と
呼ばれるのは少し恥ずかしい。

今日も私は
優先席の微世界先生として
父にアドバイスを送る。

【412文字】

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