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旅行は好きですか

 みなさん,旅行は好きですか。

 私は昔から歩くのが好きで,特に知らない街を散策するときの,あのドキドキとワクワクが混在する感覚がたまりません。外の空気を吸って陽の光を浴びる機会が少ないと,どうも気が滅入ってしまいます。私の脳は活性化するのに,外界からの刺激を受ける必要があるようです。

 しかしながら,旅行はあまりしません。

 まず第一の理由として,飛行機に乗るのが苦手であるというのがあります。注意していただきたいのは,決して航空機の類が嫌いなわけではありません。私は空を見上げるのが大好きなのですが,そんな大空を行く航空機にはロマンを感じます。

 飛行機が緻密な物理学の計算によって設計されていること,そして安全性の高い乗り物であるということは,重々承知しております。特別,高いところが怖いというわけでもありません。

 私はどうしても旅客機に乗ったときの「いま私はあの天空にいるんダッ!」という事実と状況にアタマがぐにゃぐにゃになってしまうのです。実は地上から旅客機を見上げたときも「あんなに高いところに人間がいるんだ…。そしてそこでコーヒーを飲んだり,映画を観たりしているんだ…」と,不思議な感覚に陥ってしまいます。

 ですから,移動はできるだけ電車や新幹線を使います。裏を返すと,飛行機でしか行けないような場所にはなかなか行けない,ということになります。

 第二の理由は,計画を立てるのが苦手という私の性分にあります。

 旅行には計画がつきものです。どこへ行くのか,宿泊先はどうするか,交通機関は何にするか,旅先では…。多かれ少なかれ,旅行には何かしら計画を立てる必要があります。この計画を立てるというのが,私にとって難儀なことなのです。

 普段からできるだけ計画を立てるのを避け,その日そのときの気分や思いつきを大切にしている私にとって,計画というのは厄介な存在なのです。そして,ひとたび自ら計画を立ててしまうと,その通りに行動しなければ気が済まなくなってしまい,がんじがらめの状況に息苦しさを覚えてしまうのです。

 ですから,もし旅行に行くとなっても計画を立てるのは最低限にして,「あっち行ってみようかな」「そうだあっこ面白そうだ」と気の向くまま楽しみます。もちろん,全くの無計画で行き当たりばったりな旅行をするという手もありますが,私にはそのような度胸はございませんから,結局幾分かの計画を立てざるを得ないのです。

 「では計画を立てるのは同行者に任せれば良いのでは?」とお思いかもしれませんが,そういうわけにもいきません。

 これが第三の理由で,とってもワガママな私との旅行に付き合ってくれるひとがいないのです。由々しき問題です。

 良くないことだとはわかっているのですが,食べものの好き嫌いや,宿泊する施設や部屋への強いこだわりなど,とにかく私はひとと旅行をする上で厄介な性格をしています。

 まぁ,旅行に行けない三つの理由を挙げている時点で,面倒なタイプですよね。この厄介さを自分が一番よくわかっているので,友人からの旅行の誘いは断ってしまうことが多いのです。旅行の楽しみを,気の知れた友人と共有したいという思いも密かに抱いてはいるのですが…。

 これらの障壁が,私のキャリーケースをほこりまみれにしてしまうのです。

 でも冒頭で述べた通り,知らない街を散策できる旅行は大好きですから,旅行に行きたいという気持ちはあります。興味のあるアートやデザインの展覧会や美術館を巡ったり,旅先で気になる文字を見つけたり,旅行に行ったら色々とやりたいこともあるのです。

 今年は奮起して行ったことのないところへ旅行してみようかな,と小さい決意をしてみます。

 ではまた宇宙のどこかでお会いできれば。


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