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家が買えない みじめ

子供も生まれるし、そろそろマイホーム購入検討したいね!なんて夫と話していた頃もあった。

マイホームどころか日々生きていくだけで精一杯。
家を買ってローン組んだら娘の大学費用は無くなるだろう。
私の周りの友人知人はみんな結婚や出産と同時に家を買っているのに。
我が家はずっと古くて狭い1LDK。

ある時、何を思ったのか「家 買えない」という思ったままの言葉で検索してみた。
すると、その続きに「みじめ」という言葉を見つけた。
あぁ、私以外にも家が買えなくてみじめな思いをしている人がいるんだな。
そう思えると、少しだけ気が楽になった。

友人知人、知らない人たちもSNSに綺麗なマイホームで撮った写真を投稿する。
それを見るたびに心臓がキュッとなる。
私は自分の家で撮った写真なんて投稿できない。
古い床材や、オシャレとは無縁の和室、ボロボロの襖、前の住人がつけた壁のシミ…家のすべてが古くさくて嫌になる。

新築マンションから古い賃貸に引っ越したあの中学生の頃から、幾度となく味わってきたこのみじめな気持ち。

「他人と自分を比べるな」
このことをもし誰かに相談すれば、きっとこの言葉が返ってくるだろう。

「優しい夫がいて、可愛い子供がいて、それで充分じゃないか」
それで満たされていないから、私は他人と自分を比べてしまう。

新築の広い一軒家や綺麗なマンションで無くていい。
せめて2LDKで築10年前後で浴室暖房がついていて隙間風がなくて壁が汚れていなくて…そんな家に住んでみたい。
普通の人が普通に得ている暮らしを私はできない。

結局私は、世の中の全てを妬み僻んで真っ黒の気持ちのまま古くて寒い家で死んでいくんだろう。

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