「不在」のプリンスの存在感と、ディランとスプリングスティーンの重み:映画評「ポップスが最高に輝いた夜」
評判の良いドキュメンタリー映画をNetflixにて。
「We Are The World」が録音された1985年1月28日の夜を中心に、この曲が成立した過程を振り返っています。
いやぁ、評判通り面白いっす。
巨大になったw今のライオネル・リッチーがメインとなって話を進め、ケニー・ロギンス、ヒューイ・ルイス、シーラE、シンディ・ローパー、ブルース・スプリングスティーンたちが当時を振り返ります。
まあ、曲そのもののインパクトもあるし、錚々たるメンバーが揃っての録音なので見てるだけで楽しいってのはあるんですが、リアルタイムで当時を知ってる者として、
「ああ、そうなんや」
とちょっと認識を新たにしたことをチラホラ…
プリンスは来ることが期待されていて、来なかったのでヒューイ・ルイスが代打でソロを取った→プリンスの恋人シーラEのちょっと切ない回想。そしてヒューイ・ルイス、ええやっちゃ。
ボブ・ディランは終始不機嫌そう。なんでこんなとこに引っ張られたのやら→不機嫌というか、所在なさげ。彼自身はこの取り組みを真摯に捉えていたし、周りも彼のことを重視していた。なので彼のパートのシーンはちょっと感動的だし、子供みたいに喜ぶディランに嬉しくなる。
ブルース・スプリングスティーンはちょっとこのメンツの中じゃ浮いてない?仲間に入れてたのかな?→むっちゃ馴染んでたw。むしろ彼をどうやって組み込んでいくかに重点が置かれていた。
「We Are The Worldの呪い」と言う見方もあるくらい、このタイミングってアメリカの音楽シーンの分岐点でもあるんだけど、今こうやって振り返るとそこまで「呪い」って感じでもないかな〜と感じます。
まあこういう音楽(ポップス)に対する無条件にポジティブな想いっていうのは、今はないかも知れんけどね。
あの時代を知っている人なら一見の価値は間違いなくある作品です。
しかしライオネル・リッチー。
顔デカいよ。
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