見出し画像

いやぁ、ほんとよく考えられてます:映画評「インサイド・ヘッド2」

20240803  109シネマ箕面

前作が傑作だっただけに「続編?」って感じで、食指は動かなかったんですけど、アメリカで記録的大ヒットと言うニュースを聞いて見てみることにしました。
…これは確かに前作に続く「傑作」ですかね。

少女ライリーを子どもの頃から見守ってきた頭の中の感情・ヨロコビたち。ある日、高校入学という人生の転機を控えたライリーの中に、シンパイ率いる<大人の感情>たちが現れる。 「ライリーの将来のために、あなたたちはもう必要ない」―シンパイたちの暴走により、追放されるヨロコビたち。巻き起こる“感情の嵐”の中で自分らしさを失っていくライリーを救うカギは、広大な世界の奥底に眠る“ある記憶”に隠されていた…。
(公式HPより)


「思春期」を迎えた少女の心の動きを「脳内キャラクター」たちのせめぎ合いで表現しています。
ここら辺は前作と同じ仕掛け。
ヨロコビ、カナシミ、イカリ、ビビリ、ムカムカ
と言う幼少期を支えてきたキャラクターたちに、思春期になって、
シンパイ、ハズカシ、イイナー、ダリー
の4人が加わります。
ストレートな感情が少し屈折してくるトコロをよくフォローしたキャラクターたちですね。
個人的には「ダリー」推しですw。


学術的に考えたらどうなのかってのはよくわかりませんけど、感覚的にはここら辺の感情のバリエーションで「思春期」の分析みたいなものができるような気がします。
それだけリアリティーがあるってことでしょう。


それだけじゃなくて、ライリーが持っている「いい子」へのこだわりや、根拠の薄い自己肯定感の高さのあたりなんかは、「Z世代」以降の世代論にもつながっているように思います。
まぁ、ここについては、
「ヨロコビ、前の話で何を学んだんだよ」
ってツッコミを入れたくもなりますけどw。


いろいろ対立するんだけど、どの脳内キャラクターたちも、「ライリーを幸せにする」と言う点については完全に一致している。
悪役はいない作品なんですよね。
だから見終わった後の感覚はすごくすっきりしています。


作品のレベル感としては、前作の方がやっぱり上かなぁ。
でも本作もなかなかの出来。
「思春期」と言うテーマは、前作よりも複雑で重いっていうのもありますし…。
見るなら両方を見ることをお勧めします。


(個人的には、ライリーの友人たちの進路選択の裏側にあった脳内キャラクターたちの動きは気になりますけど。
そこに踏み込まなかったのは、話が複雑になりすぎるって判断かな?)


#映画感想文
#インサイドヘッド2

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?