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現像後、シナプスを鍛える。

例えば何かの行事などでいちどきにフィルム一本撮り切ってそのまま現像へ出せるのならあまり問題は起きないが、短い散歩の度にちょこちょこ撮り進めたりして一本のフィルムを撮り切るのに時間がかかり、ようやく撮り終えてカメラから取り出してはみたもののそこから現像に出すのも滞り、更にそれがモノクロフィルムだったりしようものならフィルム装填からネガ受取まで数ヶ月〜下手をすると年単位の月日が流れることもある。フィルムカメラ使用経験者なら一度は経験あるかと思うが、いわゆるカレンダーフィルムの誕生である。そしてついにある日カレンダーフィルムを手に写真屋さんを訪ねる時がやってくる。

いらっしゃいませ。
現像お願いします。
ハーフカメラで撮られてますか?
えーと、覚えてないんですが、まあ、たぶん違います。

このようにまずはフォーマットがわからないという事態に陥る。
しどろもどろなやりとりを経てようやく現像へ出されたフィルムが更に半月後にネガとなり自分の手元へ再び戻ってくる頃には、いつ・どのカメラ・何のフィルムで撮影したものかなどもはや忘却の彼方である。

記憶力が脆弱な上にデータにも関心がなく、一台のカメラでフィルムを撮り切る前に浮気心を起こして別のカメラを持ち出したりして撮り散らかすのだから当然の結果と言える。

そんなわけでネガが戻ってきた日は、もはや長らく疎遠になっていた友人からの久しぶりの便りでも受け取った気分で、何が写っているのかなとワクワクする。そして画像たちを眺めながらひとりクイズ大会を開幕するのである。

問題です。以下の一連の画像はそれぞれいつ、どこで、撮ったものでしょう。合わせてカメラの機材名およびフィルム銘柄も答えなさい。

ひまわりだから多分8月、そして鎌倉



同上


これも確かひまわりの側で撮った なんてったって氷だし8月鎌倉


同上


同じく鎌倉


うーむこれは難問。自宅での試し打ち、前後のカットから推測して8月か9月


9月、神田


9月神田、薄暗くてピントが合わせられず



9月神田


10月秋葉原


10月神田


以上、
フィルム: SEAGULL100


とりあえず今回はすべてのカットの撮影場所を思い出すことができたし、フィルムの銘柄も絞り出した。(記憶違いの恐れは充分あるが)
そして、カメラの機材については、試し打ち(撮り)と思われるカットが何枚か見受けられたので、外観からはフィルムが入っているかどうかが判別できない機材と推測される。ということは・・・恐らくカメラはキエフ4am!
ファイナルアンサー!

と、ひとり叫んでみたところで答えはすべて闇の中。

もはや手には届かぬ正解を求めて記憶を掘り起こし、推理に推理を重ねて頭だけはそれなりに使った。せめて近頃千切れゆくばかりのシナプスを繋ぎ止める役には立ったのでは、と自らを慰めて再びカメラを手に今日も出かけるのである。

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