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書記の読書記録#113「はじめてのインド哲学」

立川武蔵「はじめてのインド哲学」のレビューと読書記録



レビュー

本書のテーマは「自己と宇宙の同一視の経験」である。一口にインド哲学といっても,その起源と派生は多岐にわたるもので,本書はそれらを一通り整理したものと見てよいだろう。理解したいのなら,まずは起源となるヴェーダウパニシャッドから始めるのがいいと思う,古典作品に触れるのも面白い。


読書記録

# 1p10〜105
・自己空間,自己時間・自己と宇宙の同一視・インド精神史の区分・「リグ・ヴェーダ」:宇宙開闢の歌,プルシャの歌・「アタルヴァ・ヴェーダ」・ウパニシャッド:ブラフマンとアートマン・アートマン原理の導入・ブッダによる仏教,周囲世界・十二縁起説:無明/行/識/名色/六処/触/受/愛/取/有/生/老死・止滅・アビダルマの思想運動,「倶舎論」・インド6派哲学:サーンキャ/ヨーガ/ヴェーダーンタ/ミーマーンサー/ニヤーヤ/ヴァイシェーシカ・因中有果論,因中無果論・ヴァイシェーシカ学派による世界構造・9種の実体・カテゴリー:実体,属性,運動,普遍,特殊,和合,無・法と有法の関係


# 2p107〜164
・大乗仏教,竜樹のアビダルマ哲学批判,「中論」,三論宗へ・空性,縁起・世親「倶舎論」,唯識思想・アーラヤ識・如来蔵思想・サーンキャ哲学,無神論的,ウパニシャッドの精神・「ブラフマ・スートラ」・シャンカラ:神イーシュヴァラ,仮現説・ラーマーヌジャ:3組の対概念,神とブラフマンの合致・マドヴァ:二元論


# 3p165〜222
・タンドリズム(密教)の起源:アタルヴァヴェーダ・所作タントラ,行タントラ「大日経」,ヨーガタントラ「金剛項経」,無上ヨーガタントラ・現世拒否的態度の緩和・プラヴリッティマールガ,ニヴリッティマールガ・儀礼中心主義の復活・大日如来・シンボルとしてのマンダラ・シャイヴァシッダーンタの世界観・いかにして世界を聖化するか


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