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書記の読書記録#1 「ネットワークはなぜつながるのか 第2版」


本記事は戸根 勤「ネットワークはなぜつながるのか 第2版 知っておきたいTCP/IP、LAN、光ファイバの基礎」についてのレビューである。読書記録は自分のためのものに過ぎないのでスルー推奨。



レビュー

ブラウザにURLを入力してからWebページが表示されるまで,ほんの一瞬の出来事であるが,その裏では何が起こっているのだろうか。ネットワークはいまや当たり前のものとなりつつあり,だからこそ裏で何が起こっているかを理解することが重要性を増している。

本書では,ネットワークに関わっている技術(TCP/IP,LAN光ファイバなど)について,「探検ツアー」と題して順序立てて説明される。どういった技術がどんなタイミングで使われているかを順番に理解するのに適した本である。初心者でも読み進めるだけなら簡単にできる。


本書と比較されるテキストについても簡単に説明する。

こちらもネットワークに関する本なのであるが,説明する手順が異なり,TCP/IPモデルを7層のOSI参照モデルに対応付けて,それを順序立てて説明している。こちらも初心者でも読みやすく,「ネットワークはなぜつながるのか」と合わせて読むのによいと思う。


読書記録まとめ(8/15~8/23)※以下長文です

# 1

・ブラウザはまずURLを解読・HTTPプロコトル→リクエストメッセージ(メソッド,URI)、レスポンスメッセージ(ステータス)・IPアドレスはネットワーク番号とホスト番号(全て0はサブネット自体,全て1はブロードキャスト)からなる・ドメイン名からIPアドレスの検索に、Socketライブラリのリゾルバを利用・DNS(domain name system)

# 2 p62〜89

・DNSはドメイン名からサーバ内のIPアドレスを検索する・ドメインの階層構造・ソケットを作りパイプを伸ばすことでクライアントとサーバがつながる・ディスクリプタでアプリケーションはソケットを識別・IPアドレスとポート番号で互いのソケットを認識

# 3 p93〜138

・TCP/IPの階層構造・プロコトル・スタックはソケットの制御情報を参照・TCPヘッダを作りIP担当部分に渡して送信するよう依頼・MTU:1つのパケットで運べるデータの最大長・MSS:ヘッダを除いて1つのパケットで運べるデータの最大長・パケットが届いたことをACK番号とシーケンス番号によって確認・ウインドウ制御によりパケットを次々と運ぶ・データを送り終わるとソケットを抹消する

# 4 p138〜187
・パケットはヘッダとデータからなる・ヘッダの種類,イーサネットようにMACアドレス,IP用にIPアドレス・宛先IPアドレスはIPヘッダに含まれる・ARPでMACアドレスを調べる・LANアダプタによりデータを電気や光の信号として送る・クロック信号とデータ信号の合成・LANアダプタのMAC回路が共通形式の信号を作り,PHY(MAU)回路がケーブルに送り出す形式に変換・IP担当部位の役割を終えるとパケットをTCP担当部位に渡す・短いデータや音声動画にはTCPでなくUDPを用いる

# 5 p191〜251
・LANケーブルはツイストペアケーブルにすることで雑音を抑える・リピータハブはつながったケーブル全部に信号を送信・スイッチングハブはMACアドレスを検索して該当するポートから信号を送信・スイッチングハブの全2重モード・ルータは中継部分とポート部分から構成される・ルータはIPアドレスで中継先を判断,ネットワーク番号のみ調べる・ルータは自分のアドレスに該当するパケットだけ送信して該当しないものは棄てる・宛先MACアドレスによりポートの割り当てがわかる・デフォルト経路;ネットマスク欄が0.0.0.0・大きいパケットはフラグメンテーションにより分割・アドレス変換によりパケット中継時にIPアドレスとポート番号を書き換える・パケットフィルタリング機能

# 6 p255〜288
・インターネットとLANを結ぶアクセス回線・ADSL:電話用の金属製ケーブルで高速通信,上り下りで速度が違う・インターネット接続用ルータからADSLモデムへ・ADSLモデムはパケットをセルに分割して電気信号に変えて送信・直交振幅変調により信号化・スプリッタは電話とADSLの信号を分ける・DSLAMはATMインタフェースをもつ・BASはATMセルをパケットに戻す・FTTHは光ファイバを用いたアクセス回線・シングルモードとマルチモード・メディアコンバータ・光スプリッタ

# 7p289〜327
・BAS:本人確認と設定値通知,PPPoEを用いる・PPPoEはPPPメッセージをイーサネットのパケットに入れてやりとり・トンネリングによりパケット送信・インターネット接続用ルータはPPPoEのDiscoveryに従ってBASのMACアドレスを検索・アンナンバード・PPPoAはパケットをそのままセルに格納・DHCP:イーサネットのパケットをそのままADSLの信号に変換してDSLAMに送信・POPやNOCにパケットが集まる・BGPによりイーサネット内部で経路情報を交換・IXへのプロバイダの集約

# 8 p331〜385
・ファイアウォールがネットワーク外部からの攻撃を守る・主流はパケットフィルタリング型:IPアドレスやポート番号などでパケットを通すか判断・分散処理により負荷を分散・負荷分散装置(ロードバランサー)・キャッシュサーバ:キャッシュ機能を利用・プロキシ・コンテンツ配信サービス:キャッシュサーバを設置してWebサーバ運営者に貸し出す(CDSP)

# 9(最終回)p389〜433
・クライアントとサーバの違い:Socketライブラリの使い方,接続動作・ソケットの識別にディスクリプタを使う・LANアダプタのMAC部分がパケットをデジタルデータに戻す・LANドライバがプロコトルスタックにパケットを渡す・プロコトルスタックのIP担当部分,TCP担当部分・リクエストメッセージの内容からデータ源を判断して,データを得てクライアントに送り返す・Webサーバのアクセス制御・レスポンスのデータタイプで種類を判別してブラウザに表示


これまでの読書記録はこちら:


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