書記の読書記録#614『現代ベクトル解析の原理と応用』
新井朝雄『現代ベクトル解析の原理と応用』のレビュー
レビュー
線形代数,ベクトル解析,テンソル解析,微分幾何学などといった諸分野が1冊にまとめられている,隙のない教科書。内容はハイレベルなので,上に挙げた分野のテキストを別に理解しておきたい。
もくじ
第1章 ベクトル空間
1.1 ベクトル空間の公理系
1.2 部分空間と直和
1.3 線形独立性
1.4 基底と次元
1.5 基底によるベクトルの展開と座標系
1.6 基底の変換と座標変換
1.7 直和ベクトル空間
1.8 商ベクトル空間
第2章 線形作用素
2.1 定義と基本概念
2.2 線形作用素の積
2.3 ベクトル空間の同型
2.4 次元定理と同型定理
2.5 線形作用素の行列表示
2.6 線形作用素の空間
2.7 双対空間
2.8 双対作用素
2.9 固有ベクトルと固有値
2.10 線形作用素のトレース
2.11 アファイン空間
第3章 テンソル空間
3.1 多重線形写像
3.2 テンソル積
3.3 テンソルの積演算
3.4 テンソルの型
3.5 対称テンソルと反対称テンソル
3.6 2階のテンソル空間の性質
3.7 対称テンソル空間の基底
3.8 反対称テンソル空間の構造
3.9 線形作用素のテンソル積
3.10 ベクトル空間の向き
第4章 ベクトル空間の計量
4.1 はじめに
4.2 計量ベクトル空間
4.3 直交系と直交補空間
4.4 内積空間の基本的性質
4.5 計量の標準形
4.6 ミンコフスキーベクトル空間
4.7 計量の成分と複素計量の構造
4.8 有限次元ベクトル空間における計量の構造
4.9 展開定理と直交分解
4.10 同型性
4.11 線形汎関数に関する表現定理と同型定理
4.12 共役作用素,対称作用素,反対称作用素
4.13 テンソル空間の計量
4.14 対称テンソル積空間と反対称テンソル積空間の計量
4.15 ホッジのスター作用素
4.16 3次元ユークリッドベクトル空間におけるベクトル積
4.17 n次元計量ベクトル空間の(n-1)次元部分空間
第5章 ベクトル空間における位相と計量アファイン空間
5.1 内積空間における点列の収束と極限
5.2 距離空間としての内積空間
5.3 開集合,閉集合,境界集合
5.4 有限次元ベクトル空間における距離の同値性
5.5 有限次元不定計量空間の位相
5.6 計量アファイン空間
第6章 ベクトル空間における曲線論
6.1 ベクトル空間上のベクトル値関数
6.2 曲線
6.3 曲線の微分
6.4 曲線の積分
6.5 曲線の長さ
6.6 曲線に関する幾何学的概念
6.7 微分方程式と流れ
第7章 スカラー場とベクトル場の理論
7.1 スカラー場
7.2 微分積分学の基本定理の普遍形
7.3 スカラー場の高階の微分とラプラシアン
7.4 ベクトル場の微分
7.5 ベクトル場の発散
7.6 3次元ユークリッドベクトル空間上のベクトル解析
7.7 パラメータ付き図形と接空間
7.8 積分量
第8章 テンソル場の理論
8.1 テンソル場
8.2 外微分作用素
8.3 反対称反変テンソル場に対する外微分作用素
8.4 異なる次数の外微分作用素の統一化
8.5 微分形式の引き戻し
8.6 ポアンカレの補題
8.7 余微分作用素
第9章 ストークスの定理
9.1 曲方体と鎖体
9.2 境鎖体
9.3 p鎖体上のp次微分形式の積分
9.4 ストークスの定理
9.5 応用―古典的積分定理の導出
第10章 物理学への応用
10.1 古典力学
10.2 特殊相対性理論
10.3 古典電磁気学
10.4 流体力学
付録A 集合と写像
A.1 基本的概念
A.2 直積
A.3 同値関係と商集合
A.4 写像
A.5 集合の写像特性
A.6 集合の対等と濃度
参考文献
演習問題の解答(略解)
索引
本記事のもくじはこちら:
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