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書記の読書記録#148「ギリシア悲劇―人間の深奥を見る」

丹下 和彦「ギリシア悲劇―人間の深奥を見る」のレビューと読書記録


レビュー

取り上げられる作品

・アイスキュロス:「ペルシア人」,「オレステイア」三部作

・ソポクレス:「アンティゴネ」,「オイディプス王」

・エウリピデス:「メデイア」,「ヘレネ」,「キュクロプス」,「オレステス」,「バッコスの信女」


知を愛し探求しようとする者が必ず通る道といっても過言ではない,ギリシア悲劇。本書はそのいくつかを解説するもので,劇からみる人間性について考えさせられる。


読書記録

# 1p3〜44
・ディオニュソス受容・競演会・仮面劇・上演形態,市民の参加・東西世界の対立,ペルシア戦争,ヘレネスとバルバロイ・アトッサの夢,自由か専制か・豪華絢爛のアジアと貧困のギリシア,「満」対「空」・人間の思い上がりが迷妄を呼び神の妬みをうけて破滅する・自由の概念

# 2p45〜120
・法の正義の顕現過程・クリュタイメストラの夫殺しとその理由・咎めには咎めが返る・オレステスの復讐,母殺し,アポロン神の命令,狂気・裁決,白黒同数による無罪,アテナの一票・力の正義から法の正義へ,法治国家アテナイの成立・単なる英雄でないアンティゴネ・一行対話形式を破る・恋の当事者ハイモン・死への願望,死者への愛・2度の埋葬,怯懦・哀泣(恋)は人間のなすところ

# 3p121〜217
・知を代表する人物オイディプス・余所者との規定・テイレシアスの犯人指名・ライオス殺害現場「三叉路」・イオカステの対話・アポロン神への祈り,コリントスからの使者・証人の羊飼い・自らの出自の探求・盲目となるオイディプス,自ら責任を取る・ソポクレスの独自性・テューモスとブーレウマタ・メデイアの舞台裏からの声・復讐計画・イアソンの弁明,堕落した英雄・子供のモチーフ,世継ぎの重要性・情念の勝利,テューモスよ承認

# 4p219〜333
・新しいヘレネ,ヘルメス神の言葉・テュケーによる姿の自在変化・門番を勤める老女・一行対話の増大・目が病む・名前と実体の乖離・党派の誕生・ホメロスとの相違:アゴス,トロイア戦争批判・脱出と逃亡,法をめぐる争い・自意識シュネシス,連帯感ピリアー・同一共同体内における非ギリシア的・ディオニュソス教の伝来・ト ソポン・武具の代わりの女物の衣,ペンテウスの死・前5世紀のアテナイ市民・自由,法治社会,知による自立,法秩序への反乱,人間性


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