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書記の読書記録#917『カオス 力学系入門』(全3巻)

K.T.アリグッドT.D.サウアーJ.A.ヨーク『カオス 力学系入門』(全3巻)のレビュー


レビュー

カオスの理解を目標とした力学系の教科書で,『ストロガッツ 非線形ダイナミクスとカオス』や『Hirsch・Smale・Devaney 力学系入門 ―微分方程式からカオスまで―』に比べるとゆっくり目な進行。


もくじ

第1巻

第1章 1次元写像
 1.1 1次元写像
 1.2 クモの巣図法:グラフによる軌道の表現 
 1.3 不動点の安定性
 1.4 周期点   
 1.5 ロジスティック写像の族  
 1.6 ロジスティック写像G(x)=4x(1-x)
 1.7 初期値鋭敏性
 1.8 旅程
  挑戦問題1 3周期運動はカオスの存在を意味する 
  演習問題 
  研究室訪問1 甲虫の個体数の増減とカオス 
第2章 2次元写像  
 2.1 数学的モデル 
 2.2 沈点,源点,サドル  
 2.3 線形写像  
 2.4 座標変換 
 2.5 非線形写像とヤコビ行列   
 2.6 安定多様体と不安定多様体  
 2.7 行列×円=楕円 
挑戦問題2 トーラス上で定義された線形写像の周期軌道を数える
演習問題  
研究室訪問2 太陽系は安定か?
第3章 カオス 
 3.1 リャプノフ指数
 3.2 カオス軌道 
 3.3 共役とロジスティック写像 
 3.4 遷移グラフと不動点  
 3.5 吸引領域
  挑戦問題3 シャルコフスキーの定理
  演習問題
  研究室訪問3 化学反応における周期性とカオス
第4章 フラクタル   
 4.1 カントル集合   
 4.2 フラクタルの確率的構成   
 4.3 力学系におけるフラクタル   
 4.4 吸引領域のフラクタル境界   
 4.5 フラクタル次元   
 4.6 容量次元の計算   
 4.7 相関次元   
 挑戦問題4 吸引領域のフラクタル境界と不確定性指数   
 演習問題   
 研究室訪問4 実験におけるフラクタル次元 
 一部の演習問題の解答とヒント


第2巻

第5章 2次元写像におけるカオス
 5.1 リャプノフ指数
 5.2 リャプノフ指数の数値計算
 5.3 リャプノフ次元
 5.4 2次元の不動点定理
 5.5 マルコフ分割
 5.6 馬蹄形写像
 挑戦問題5 数値計算と追跡
 演習問題
 研究室訪問5 簡単な機械装置の中のカオス
第6章 カオスアトラクタ
 6.1 前方極限集合
 6.2 カオスアトラクタ
 6.3 区間上の拡大写像のカオスアトラクタ
 6.4 測度
 6.5 自然測度
 6.6 1次元写像に対する不変測度
 挑戦問題6 ロジスティック写像の不変測度
 演習問題
研究室訪問6 フラクタル的なアク
第7章 微分方程式
 7.1 1次元線形微分方程式
 7.2 1次元非線形微分方程式
 7.3 2次元以上の線形微分方程式
 7.4 非線形系
 7.5 ポテンシャル場における運動
 7.6 リャプノフ関数
 7.7 ロトカ・ボルテラのモデル
  挑戦問題7 ファン・デル・ポル系の極限周期軌道
  演習問題
  研究室訪問7 蚊と蚊の闘い
第8章 周期軌道と極限集合
 8.1 平面上の微分方程式に対する極限集合
 8.2 ω極限集合の性質
 8.3 ポアンカレ・ベンディクソンの定理の証明
 8.4 挑戦問題8 無理数比を持つ二つの振動数がトーラスを作る
 8.5 演習問題
 研究室訪問8 イカの神経細胞の定常状態と周期性
第9章 微分方程式におけるカオス
 9.1 ローレンツアトラクタ
 9.2 大域的安定性と局所的不安定性
 9.3 レスラーアトラクタ
 9.4 チェア回路
 9.5 強制振動子
 9.6 流れにおけるリャプノフ指数
 挑戦問題9 カオス軌道の同期
 演習問題
 研究室訪問9 同期するレーザー
一部の演習問題の解答とヒント


第3巻

第10章 安定多様体とクライシス
 10.1 安定多様体定理
 10.2 ホモクリニック点とヘテロクリニック点
 10.3 クライシス
 10.4 安定多様体定理の証明
 10.5 高次元写像に対する安定多様体と不安定多様体
 挑戦問題10 和田の湖
 演習問題
 研究室訪問10 蛇口から滴る水:わずかな刺激か,クライシスか?
第11章 分岐
 11.1 サドル・ノード分岐と周期倍分岐
 11.2 分岐図
 11.3 可続性
 11.4 1次元写像の分岐
 11.5 平面写像における分岐:面積縮小型の場合
 11.6 平面写像における分岐:面積保存型の場合
 11.7 微分方程式における分岐
 11.8 ホップ分岐
 挑戦問題11 ハミルトン系とリャプノフの中心定理
 演習問題
 研究室訪問11 鉄+硫酸→ホップ分岐
第12章 カスケード
 12.1 カスケードと4.669201609
 12.2 模式的な分岐図
 12.3 生成的な分岐
 12.4 カスケード定理
 挑戦問題12 分岐図における普遍性
 演習問題
 研究室訪問12 実験におけるカスケード
第13章 データによる状態の再構成
 13.1 時系列からの時間遅れプロット
 13.2 時間遅れ座標
 13.3 埋め込み理論
 挑戦問題13 容量次元と交差
付録A 行列代数
 A.1 固有値と固有ベクトル
 A.2 座標変換
 A.3 行列×円=楕円
付録B 常微分方程式の計算機による解
 B.1 常微分方程式の数値解法
 B.2 数値微分における誤差
 B.3 適応刻み幅解法
一部の演習問題の解答とヒント


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