書記の読書記録#1022『解析力学1・2 (朝倉物理学大系)』
山本 義隆・中村 孔一『解析力学1・2 (朝倉物理学大系)』のレビュー
レビュー
解析力学の本格的な教科書として定評があり,2冊目以降として理解を深めるには良い。
解析力学の1冊目として畑『弱点克服 大学生の解析力学』を用い,さらに微分幾何学や多様体を和達『微分・位相幾何』や松本『多様体の基礎』で学習してきた自分から見ると,パッと見は数式の密度が高く難しく見えるが,意外とテンポ感はよくじっくり読むには適していると感じた。
もくじ
Ⅰ巻
1. 序章――数学的準備
1.1 運動方程式
1.2 曲面上の拘束運動
1.3 曲面上のテンソルと共変微分
1.4 多様体とベクトル場
1.5 双対空間と共変テンソル
1.6 余接バンドルと微分形式
2. ラグランジュ形式の力学
2.1 ラグランジュ方程式
2.2 対称性と保存則
2.3 ラグランジュ方程式の幾何学的表現
2.4 擬座標とポアンカレ方程式
2.5 拘束条件と拘束力
3. 変分原理
3.1 ハミルトンの原理
3.2 ワイスの原理とネーターの定理
3.3 保存系と最小作用の原理
4. ハミルトン形式の力学
4.1 相空間と正準方程式
4.2 ハミルトンニアン・ベクトル場
4.3 力学系の考察
4.4 正準力学系
5. 正準変換
5.1 相空間上のハミルトンの原理
5.2 積分不変式とカルタンの原理
5.3 正準変換――母関数による定義
5.4 シンプレクティック写像
5.5 正準不変式
6. 索 引
Ⅱ巻
6. ポアソン括弧
6.1 1径数正準変換
6.2 ポアソン括弧と正準方程式
6.3 ポアソンの定理
6.4 ポアソン括弧とリー代数
6.5 相空間の簡約
7. ハミルトン-マコビの理論
7.1 ハミルトン-ヤコビ方程式
7.2 ヤコビの定理
7.3 力学・光学アナロジー
7.4 正準変換にもとづく考察
8. 可積分系
8.1 完全可積分系
8.2 周期運動と作用変数・角変数
8.3 多重周期系の運動
9. 摂動論
9.1 定数変化法
9.2 ラグランジュの摂動方程式
9.3 正準摂動法――フォン・ツァイペルの方法
9.4 永年摂動と解の不安定性
9.5 リー変換による摂動法
10. 拘束系の正準力学
10.1 ディラックの処方
10.2 ディラック括弧と相空間の簡約
10.3 第1種の拘束量とゲージ変換
11. 相対論的力学
11.1 ガリレイの相対性原理
11.2 ローレンツ変換
11.3 相対論的運動方程式
11.4 相対論的解析力学
12. 索 引
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