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書記の読書記録#358『宇宙を解く唯一の科学 熱力学』

ポール・セン(訳:水谷淳)『宇宙を解く唯一の科学 熱力学』のレビュー


レビュー

カルノーからベッケンシュタイン・ホーキンスにわたる熱力学の歴史についての啓蒙本。熱力学や統計力学を学習し始める人におすすめ。

邦題が残念なことになっているが,原題は『アインシュタインの冷蔵庫』を意味しており,(重要なテーマの1つではあるが)これをそのまま載せても大抵の人には訳が分からなかっただろうから,落とし所が難しい。


もくじ

第Ⅰ部 エネルギーとエントロピーの発見
第1章 イギリス旅行――蒸気機関からすべては始まった
第2章 火の発動力――カルノー、熱力学を拓く
第3章 創造主の命令――ジュールの歴史的実験
第4章 クライドの谷――トムソンの苦闘

第Ⅱ部 古典熱力学
第5章 物理学の最重要問題――ヘルムホルツとエネルギーの謎
第6章 熱の流れと時間の終わり――クラウジウスと熱力学の第一法則・第二法則
第7章 エントロピー――すべてを支配する法則
第8章 熱は運動である――気体分子から地球大気まで
第9章 衝突――マクスウェル、熱の正体に挑む
第10章 何通りあるか――エントロピーは増大する
第11章 恐ろしい雨雲――ボルツマンの公式、ギブズの法則
第12章 ボルツマンの脳――宇宙の時間の矢

第Ⅲ部 熱力学のさまざまな帰結
第13章 量子――プランクの変心
第14章 砂糖と花粉――アインシュタイン、熱力学に魅了される
第15章 対称性――ネーターの定理、アインシュタインの冷蔵庫
第16章 情報は物理的である――シャノンと情報エントロピー
第17章 悪魔――マクスウェルとシラードの思考実験
第18章 生命の数学――チューリングと自然界の形
第19章 事象の地平面――ベッケンシュタインとホーキングのブラックホール理論

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