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書記の読書記録#861『正則関数 (数学のかんどころ)』『有理型関数 (数学のかんどころ)』

新井仁之『正則関数 (数学のかんどころ)』『有理型関数 (数学のかんどころ)』のレビュー



レビュー

正則関数と有理型関数に焦点を当てた上で,2冊合わせて複素関数論の要点を掴むことができる。複素関数論のスタンダードと見比べながら読むのが良いだろう。


もくじ

正則関数

第1章 複素数
1.1 複素数
1.2 複素平面
1.3 複素数列の収束と完備性
1.4 複素級数の収束
1.5 開集合
1.6 閉集合

第2章 複素関数と正則関数
2.1 複素関数と偏微分
2.2 複素微分と正則関数
2.3 複素微分可能性の特徴付け
2.4 コーシー・リーマンの関係式(実変数版)
2.5 正則関数の基本的な性質

第3章 双正則写像といくつかの例
3.1 双正則写像
3.2 1次分数変換
3.3 単位円を単位円に写す1次分数変換
3.4 単位円を上半平面に写す1次分数変換
3.5 上半平面を上半平面に写す1次分数変換
3.6 ジューコフスキー変換

第4章 コーシーの定理とコーシーの積分公式
4.1 複素平面内の曲線
4.2 複素積分
4.3 グリーンの公式
4.4 コーシーの定理とコーシーの積分公式

第5章 正則関数の無限回微分可能性と正則関数列
5.1 正則関数がC∞級かつ任意回複素微分可能なこと
5.2 正則関数列について

第6章 べき級数と正則関数
6.1 べき級数で定義される正則関数
6.2 正則関数のべき級数展開

第7章 正則関数の著しい諸性質
7.1 リュービルの定理
7.2 一致の定理
7.3 最大値の原理

第8章 正則関数の原始関数
8.1 正則関数の原始関数の存在
8.2 原始関数による正則関数の対数の定義
8.3 対数関数
8.4 正則関数の複素べき
8.5 原始関数の調和関数への応用

第9章 さらなる学習への一案内
9.1 正規族
9.2 リーマンの写像定理
9.3 近似定理
9.4 補間定理
9.5 コロナ定理

付録A グリーンの公式について
A.1 簡単な領域での証明
A.2 グリーンの公式(定理4.10)の証明

付録B 補題7.7の証明

問題解答
文献案内
関連図書
索引


有理型関数

第1章 正則関数の復習
1.1 正則関数
1.2 複素積分
1.3 コーシーの定理とコーシーの積分定理
1.4 正則関数列
1.5 正則関数の諸性質

第2章 有理型関数
2.1 ローラン級数
2.2 ローラン展開
2.3 特異点の種類と有理型関数

第3章 留数による定積分の計算法
3.1 留数
3.2 留数の原理
3.3 実変数関数の定積分の計算への応用
  3.3.1 特異点が実軸にない有理関数
  3.3.2 三角関数を含む積分
  3.3.3 フーリエ変換の計算
  3.3.4 xαを含む積分
  3.3.5 特異点が実軸にある場合:コーシーの主値積分
  3.3.6 その他

第4章 有理型関数に関するいくつかの定理
4.1 部分分数展開
4.2 ミッターク・レフラーの定理
4.3 偏角の原理とその応用
4.4 イェンセンの定理・ネヴァンリンナの定理

第5章 無限遠点を含む領域上の有理型関数とz変換
5.1 無限遠点での正則点と極
5.2 z変換
5.3 たたみ込み積とz変換
5.4 差分方程式とz変換
5.5 無限遠点について
  5.5.1 拡張された複素平面
  5.5.2 リーマン球面

第6章 無限積
6.1 無限積
6.2 無限積による正則関数
6.3 ネヴァンリンナ空間,ハーディ空間

第7章 有理拡張で得られる有理型関数
7.1 複素変数のガンマ関数
7.2 ガンマ関数の乗積表示
7.3 ゼータ関数
7.4 ゼータ関数の有理接続

付録 実変数関数の積分
A.1 広義積分
A.2 微分記号と積分記号の順序交換

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