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書記の読書記録#39「音楽分析の歴史 ムシカ・ポエティカからシェンカー分析まで」

久保田慶一「音楽分析の歴史 ムシカ・ポエティカからシェンカー分析まで」のレビューと読書記録


レビュー

17世紀から20世紀30年代までの音楽分析の歴史を概観する本で,特に「ジャン・フィリップ・ラモー」「ハインリヒ・クリストフ・コッホ」「フーゴー・リーマン」「ハインリヒ・シェンカー」を視座としている。

それぞれの章はメタファーを指しており,「言語」「文法」「弁論」「論理」「精神」「時間」「有機体」「表象」「様式」の9つに分けて解説される。

この手の分野では,広い範囲を見ることができる本だと思う。


読書記録

# 1p4〜132
・視座となる理論家:ラモー,コッホ,リーマン,シェンカー・ブルマイスター「ムシカ ポエティカ」,フィグール・ラッソーのモテットの分析:旋法,音階の種類,対位法の種類,特質,楽節・20世紀の音楽解釈学・マッテゾンの旋律分析:コロン,セミコロン,コンマ・リーペルの分析:楽節や形式の変形・コッホの旋律分析:ペリオーデの階層性・旋律論・マッテゾンの6部分図式・フォルケルの分析・コッホの修辞学的形式:アンラーゲ・ジャンルの形式モデル・通奏低音・ラモーの和声理論:根音バスの連続・ラモー理論の伝播・ヴェーバーの和音記号・リーマンの和声分析:和声二元論,機能和声法,解釈的不協和音・ヒンデミットの和声理論:和声の勾配・ネオリーマン理論


# 2p134〜217
・ホフマンによるベートーヴェン「交響曲第5番」の評論,音楽分析・シューマンによるベルリオーズ「幻想交響曲」・アクセント理論・マッテゾンによるリュトモポエイア・モニミの楽節構造・レイシャの分析:2部分大クープ・ハウプトマンの韻律論・リーマンの韻律分析:フレージング記号・マイアーのグルーピング論・ナームアの「暗意ー実現」モデル・ラダール/ジャッケンドルフの生成文法モデル・マルクスの形式生成論:ザッツとガング,ロンド形式とソナタ形式の生成・シェーンベルクによる分析:基本形態,発展的変奏・レティの主題パターン


# 3p220〜308
・ゲシュタルト心理学:プレグナンツの法則・エネルギー主義・ハルムの音楽観:フロイト深層心理学の影響・クルトの音楽観:意志と形式の現象,疑似ポリフォニー・ローレンツ,メルスマンの分析図・シェンカーの層理論,シュトゥーフェ,リーニエ,ウアリーニエ,ウアザッツ・前景,中景,後景・チェルニーの還元法・基本楽節の変奏による作曲法・アドラーの有機体としての様式・イェぺセンのパレストリーナ様式の分析・フォルトシュピヌング・バッハの性格主題・トポス分析,モデルトポス論


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