マガジンのカバー画像

書記の読書記録まとめ

1,291
今までに読んだ本についてのレビュー。 ブクログ:https://booklog.jp/users/9512a62a15b04973
運営しているクリエイター

2024年2月の記事一覧

書記の読書記録#1242『弾性体と流体 (物理入門コース 8)』

恒藤 敏彦『弾性体と流体 (物理入門コース 8)』のレビュー レビュー振動・波動,完全流体,粘性流体,弾性体の基本事項がバランスよくまとまった入門書で,流体力学の初学者にはちょうど良い構成だろう。本書に必要な数学として,ベクトル解析とテンソルの初歩が挙げられる。 もくじ物理入門コースについて はじめに 1 連続体の力学 2 弦と膜の力学 2-1 張 力 2-2 弦の運動方程式 2-3 弦の振動――ダランベールの解 2-4 単色波,固有振動 2-5 運動量とエネル

書記の読書記録#1241 『流体力学(第2版)』(杉山・遠藤・新井)

杉山 弘,遠藤 剛,新井 隆景『流体力学(第2版)』のレビュー レビュー物理寄りの流体力学の入門書で,完全流体の理論を50ページほどに抑えた代わりに,粘性流体を詳述している。 もくじ第1章 流体の性質 第2章 流れの基礎 第3章 理想流体の流れ 第4章 粘性流体流れの基礎 第5章 粘性流体流れの基礎方程式と解析例 第6章 境界層流れ 第7章 噴流と後流 第8章 圧縮性流体の流れ 第9章 数値流体力学の基礎 本記事のもくじはこちら:

書記の読書記録#1240『建築学構造シリーズ 建築鉄骨構造(改訂3版)』

松井 千秋『建築学構造シリーズ 建築鉄骨構造(改訂3版)』のレビュー レビュー骨組みの応力や変形,座屈や接合などを理解するための教科書で,構造力学・材料力学の応用として参考になる分野。 もくじ第1章 建築鉄骨構造 第2章 構造計画と設計法 第3章 鋼材の性質 第4章 ボルト接合法 第5章 溶接接合法 第6章 座屈理論の基礎 第7章 塑性解析法 第8章 軸方向力を受ける部材 第9章 曲げモーメントとせん断力を受ける部材 第10章 軸方向力と曲げモーメントを受ける部材 第11

書記の読書記録#1239『群と物理』

佐藤 光『群と物理』のレビュー レビュー量子力学・特殊相対性理論・素粒子論において,リー代数をはじめとした表現論がどれだけ必要かを確認するには優れている。 もくじ1 物理法則と対称性  1.1 物理に現れる対称性  1.2 対称性と群  1.3 結晶群  1.4 群論と量子力学 2 群の基本概念  2.1 同型と準同型  2.2 共役元と類  2.3 剰余類と剰余類群  2.4 群の表現  2.5 量子論と群の表現 3 リー群とリー代数  3.1 線形変換群  3.2 無

書記の読書記録#1238『いっきに学び直す日本史 【合本版】』

安藤 達朗(編集:佐藤 優)『いっきに学び直す日本史 【合本版】』のレビュー レビュー高校レベルの日本史の教科書としては並だが,電子書籍・Audibleとしては使い勝手が良いのと,「日本史ガイダンス」が歴史を学習する上で参考になる点は優れている。 もくじ本書の構成・本書の利用法 『大学への日本史』はしがき 凡例 教養編トビラ 本書を強く推薦する[教養編]佐藤優 日本史の展開1 原始・古代 第1章 日本文化の起源 第2章 古代国家の形成と発展 第3章 貴族政治の展開

書記の読書記録#1237『図説ウェーブレット変換ハンドブック』

Paul S. Addison『図説ウェーブレット変換ハンドブック』のレビュー レビュー2005年くらいまでの研究成果をもとに,ウェーブレット変換のユーザーとしての必要事項がまとまった教科書であり,数学的な理論展開は抑えめで実践例が多め。工学や医学への応用にも詳しい。 もくじ1. はじめに 1.1 導入 1.2 ウェーブレツト変換 1.3 構成2. 連続ウェーブレツト変換 2.1 はじめに 2.2 ウェーブレット 2.3 ウェーブレットの必要条件 2.4 ウェーブレットの

書記の読書記録#1236『コンサートホールの科学 - 形と音のハーモニー - (音響サイエンスシリーズ 6)』

上野佳奈子『コンサートホールの科学 - 形と音のハーモニー - (音響サイエンスシリーズ 6)』のレビュー レビュー空間音響学の応用として,コンサートホールにおける音響の基礎をまとめた教科書。 もくじ1. ホールの歴史 1.1 欧米におけるコンサートホールの歴史 1.2 日本におけるコンサートホールの歴史 引用・参考文献 2. ホール音場の性質と心理的評価 2.1 ホールの形状とホール内部に形成される音場との関係 2.1.1 反射音と室内音場 2.1.2 室容積

書記の読書記録#1235『マクマリー 生化学反応機構』

J. McMurry,T. Begley『マクマリー 生化学反応機構』のレビュー レビュー生化学の反応を有機化学から解説した教科書で,両分野のより高度な理解を助ける。 もくじ 1.生物化学の有機反応機構  2.生体分子  3.脂質の生合成と代謝  4.炭水化物代謝  5.アミノ酸代謝  6.ヌクレオチド代謝  7.天然物の生合成  8.生体内変換反応のまとめ  9.酵素触媒反応の化学的原理  付録 本記事のもくじはこちら:

書記の読書記録#1234『場の量子論 (裳華房フィジックスライブラリー)』

坂井 典佑『場の量子論 (裳華房フィジックスライブラリー)』のレビュー レビュー場の量子論の必要最低限な情報がまとまった教科書で,専門書で学習した後での理解度を確認するなどの使い方がある。 もくじ1.場の量子論と場の古典論 2.正準量子化 3.相互作用場の一般的性質 4.経路積分量子化 5.摂動論のファインマン則 6.くり込み 7.ゲージ場の経路積分量子化 8.BRS対称性と演算子形式 9.自発的対称性の破れとヒッグス機構 本記事のもくじはこちら:

書記の読書記録#1233『相対論的量子力学 (量子力学選書)』

川村 嘉春『相対論的量子力学 (量子力学選書)』のレビュー レビュー本書のメインはディラック方程式であり,量子力学の学習において終盤で軽く触れた概念であろう。本書では非常に丁寧な式展開を通して,相対論的量子力学の理論と適用を示していく。 もくじ第 I 部 相対論的量子力学の構造  1.ディラック方程式の導出  2.ディラック方程式のローレンツ共変性  3.γ行列に関する基本定理,カイラル表示  4.ディラック方程式の解  5.ディラック方程式の非相対論的極限  6.水素

書記の読書記録#1232『例題で学ぶ相対性理論』

柏 太郎『例題で学ぶ相対性理論』のレビュー レビュー相対性理論の式展開を追うのにちょうど良い教科書で,定番の教科書の副読本として使える。 もくじ第1章 特殊相対性理論  1.1 古典力学から相対論へ  1.2 4元ベクトル表示とローレンツ変換  1.3 基本ローレンツ変換からのいくつかの帰結  1.4 一般のローレンツ変換・ローレンツ群  1.5 相対論的力学と相対論的不変量 第2章 電磁気学と特殊相対性理論  2.1 マクスウェル方程式  2.2 マクスウェル方程

書記の読書記録#1231『光学の原理』(全3巻)

Max Born,Emil Wolf(訳:草川 徹)『光学の原理』(全3巻)のレビュー レビュー光学の教科書の中ではヘクトよりも更に高度な話題が多く,マクスウェル方程式から幾何光学・波動光学を扱っていく。 もくじ1巻 序章 歴史的展望 第1章 電磁場の基礎的性質 第2章 電磁ポテンシャルと分極 第3章 幾何光学の基礎 第4章 幾何光学による結像理論 第5章 幾何光学による収差論 第6章 結像光学機器 付録 2巻 第7章 干渉理論と干渉計(2つの単色波による干渉;波面

書記の読書記録#1230『音楽と建築』

ヤニス クセナキス(訳:高橋 悠治)『音楽と建築』のレビュー レビュー古代ギリシャをはじめとした音楽の代数構造,建築との関連などが書かれている。電子音楽の過渡期を知る上では重要性の高い著書。 もくじ音楽(確率論と作曲;三つのたとえ;メタミュージックに向かって;音楽の哲学へ) 建築(フィリップス展示館―建築の夜明け;「電子的運動表現」覚書;宇宙都市;見るための音楽“ディアトープ”) 本記事のもくじはこちら:

書記の読書記録#1229『薬局ですぐに役立つ薬の比較と使い分け100』

児島 悠史『薬局ですぐに役立つ薬の比較と使い分け100』のレビュー レビュー適応症は同じだが薬理が違う,同じ薬理で薬物動態など違う,基本的におなじだが値段が違う,などさまざまなパターンの使い分けを知ることができる。 もくじ降圧薬・循環器系薬 1 「ARB」と「ACE 阻害薬」,同じ降圧薬の違いは?〜作用と効果,適応症,副作用 2 『ブロプレス』と『ニューロタン』,同じARB の違いは?〜適応症と降圧効果 3 『タナトリル』・『レニベース』・『コバシル』,同じACE阻害薬の