overflow DEI Policy策定について
本日、overflow DEI Policy(*)をリリースしました。
こちらのnoteでは、本Policyの策定に至った背景、意義、目的、現状についてまとめていきたいと思います。
*:D&I、DE&I、DEIB、様々な表現が生まれていますがoverflowではDEI(Diversity,Equity,Inclusion)を採択しています
きっかけ
DEIを明確に考えるきっかけとなったのは「スキルもカルチャーもフィットしているメンバーの離脱」でした。
出会いと別れは必然であり、退職自体は双方に納得感があるものであれば自然なことだと考えています。重要なのはそこから何を学ぶか、です。
過去のケースでは、「女性としてのキャリアプランがイメージしづらい」、ということが1つの理由になり退職に至るケースがありました。
能力やパフォーマンスについてもフラットに評価をしているつもりでしたが、それは私の主観であり、受け手にはそう感じられていなかったと理解しています。
早急に手を打っていればという強い後悔もありつつ、根本的な考え方、姿勢を変えなくてはいけないと考え直させてくれたケースでした。(その方には非常に感謝していますし、今もアドバイスをいただいています)
また、別の場面では「属性特有の理由」からくる相談ごとや悩みごとについて周囲に理解されずらい、気軽に相談しづらい、ことによるパフォーマンス維持の困難さに直面しているケースです。
誰しも仕事以外にも大小様々な悩み事を抱えているし、それはもちろん1人の人間の中で起きていることなので仕事にも影響を及ぼします。全員を完全に救うことは難しいですが、多様な背景からくる共通の課題については仕組み上、組織上において対応したいと考えるケースでした。
前提
私たちの現在地はシリーズAのスタートアップ、fullコミットメンバー数十名というフェーズであり、試行錯誤をしながら得られた結果をもとにupdateし続けることを大切にしたいと考えます。
一方で、今後なりたい姿や、今現在どんな課題認識を抱いているかについて明文化することで共通認識を図っていくことは今から十分に価値がある取り組みです。できている / できていないの二元論ではなく、まずは理想に向かってフィードバックできる環境をつくっていきたいと考えます。
また本Policy内におけるDEIの定義は以下とします。
「多様性のある組織づくり、及び、背景を受容し公平に活躍できる制度設計」
なぜDEIが必要なのか
現時点で考えている必要な理由は以下2点です。
事業成長に多様な視点が必要であること
全員が公平にハイパフォームできる環境にするため
1点目については、定量的にも証明されはじめていますが、外部環境がめまぐるしく変わる現代では企業におけるレジリエンスが競争に与える影響が大きくなっています。多様な視点から課題を発見し、早期に対応することが成長に欠かせない要素です。(参考:ダイバーシティは明らかに収益に貢献する DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー論)
今後、さらに組織規模が拡大するoverflowにとっては定量的な観点でも多様性のバランスについて注意すべき視点だと認識しています。まずは入り口の採用から改善していかなければ解決が難しいポイントです。
2点目については、多様なメンバーが十分に力を発揮できる環境をつくっていくことが求められます。例えばエンプロイージャーニーマップにおいても職種のみならず、雇用形態やこれまでの経験からカスタマイズされていくことが理想です。
1,2点目はそれぞれ相互作用を生み出します。今いるマイノリティなメンバーが自信を持って知人におすすめできる環境でなければ1点目の多様な組織の構築は難しく、また、1点目が進んだとしても2点目が用意されていなければパフォーマンス低下、離脱を生みます。鶏卵の側面もありますが、両面からアプローチを試みていきたいと考えています。
overflowが取り入れる意義
overflowは「時間をふやす」をVISIONとし、プロダクトを通じて豊かな時間を創出する企業となることを目指しています。
その過程として現在は、HRプラットフォーム Offers / デジタルマーケティング事業 forReaderを通じて、社会に存在する自分たちが解くべき課題に集中しています。
この2事業が生まれた出発地点、そしてoverflowに根付く遺伝子が「自分たちが最初の顧客たれ」という思想です。
私たちが困っていた課題をプロダクトに起こし、自らを実験体とし、「本当に必要だ」と思えるものをお客様に使っていただいてきました。だからこそお客様に嘘偽りなく、実体験をそのままストーリーとして伝えています。
Offersは数十年先に起こる「働くの当たり前」をイメージして、実験を繰り返しながら歩を進めています。
そうした過程から、複業転職、フレキシブル経営、人材循環型社会といったテーマが浮かび上がってきました。実際にoverflowでは、社員の78%が複業入社後に転職をしており、働くことへの価値観が変わってきたことを体感しています。
そうした背景から、数十年先の組織では当たり前である「多様性のある組織づくり、及び、背景を受容し公平に活躍できる制度設計」は積極的にチャレンジしていくべきテーマであると同時に、その過程から感じたこと、発見したことをプロダクトを通じて社会へ還元していく可能性についても考えていきたいと思います。
overflowの現状
これまでoverflowでは、
時間に制限を持たないフルフレックス制度の導入
家族優先での休暇取得
フルリモートをベースとした環境づくり
などを行ってきました。
何故なら、創業者である鈴木自身に2人の子どもがおり、「最も身近な人から応援されてこそ仕事に集中できる」ということを身を以て体感してきた為です。長く働き続ける為にも、パートナーからの理解や協働が大切だと考えています。
とはいえ、十分な配慮ができているかというとまだまだだと認識しています。
以下、overflowのDiversityに関するデータの一部を紹介します。
無意識のうちに一定の偏りが発生していることは事実であり、意識をしなければMajority優位な意思決定がなされることもありうると考えます。
採用プロセスの見直しはもちろん、全員が公正に、尊重される会社であるためには定量的な指標としても改善とモニタリングが必要であると考えています。
どのように進めるか
あくまで現時点で考えている施策の一部です。様々な角度からフィードバックをいただきながら、手探りの部分もありますが前進していきたいと思います。
採用プロセスの見直し
Equity制度の導入
シッター補助金
リモート環境のサポート
本人、家庭内での体調不良時のサポート
育休サポート
介護サポート
議論の場
各々が抱える課題集め
定期的に様々な視点からフィードバックし合う場の設置
各属性特有の悩みについて共通理解を得る機会
さいごに
価値観は常に変化し続けるものであり、変化を素早く捉え、変わり続けるチームでありたいと考えています。その前提の上で本Policyについても、よりよいチームを模索するための羅針盤としてアップデートを繰り返していきます。
overflow DEI Policyの詳細はこちら
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