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エメリー鉱石と小石

先日読んだ「黒蟹県」ですが、黒蟹県にあった旧鉱山でかつて採掘されていたの「エメリー鉱石」です。この「黒蟹県」には色々な言葉があり「実際にある」「架空のもの」の注が各章についていて、これもまた面白いのです。

「こんなのないんじゃない?」というのが「実際にある」ということも多くあり驚くのですが、あたかもあるような「架空のもの」を作り上げるのもマジックリアリズムだなと感心します。

そのなかで「エメリー鉱石」さすがにこれは架空だろうと思いましたら、注に「実」のマークが。あるんだな~と感心してググると

あるんですわ、大分の佐伯に日本唯一のエメリー鉱山があり、今は廃鉱になっているんですね、よく作者の絲山秋子氏は見つけてきたものです。
その鉱山のあった「木浦」地区はまたビックリするようなお祭りがあります。それが「木浦すみつけ祭り」

なるほど、鉱山繁栄と無病息災を祈って大根で墨を塗りたくるお祭りなんですね。

「おじゃる丸」のカズマ(田村カズマ)君は小石を愛する小学二年生です。

わたしもそういえば旅行とかすると小石を拾うのが好きです。タイトル写真は室戸岬で拾った小石。ここにはジオパークとかもあるので、普段見慣れない小石が室戸岬先端の海岸にありました。タイトル写真の下にある斑なのは「斑糲岩」なのかもしれません。
で、ここ数年で一番大事にしているのはこちら。

小さな石ですが、拾ったのは福岡県宗像市の沖合にある大島。ここは宗像大社の三つの宮の一つ、宗像三女神の一柱湍津姫神をお祀りする中津宮のある島です。その中津宮の場所から島の反対側には沖ノ島の展望が出来る「沖津宮遙拝所」があり、この小石はの足元にある海岸で拾ったものです。

カズマ君みたいにはまったら宮澤賢治みたいになれたのかもしれませんが、私の場合は小石は旅の記憶につながるポートキーみたいなもの。
私は広島市で育ったので、広島市近郊はほとんどが花崗岩で三角州の所は泥岩ですから、身近なところの鉱石には全く面白みがなかったのです。

https://www.pref.hiroshima.lg.jp/uploaded/attachment/412890.pdf

高校の頃から山岳部で山に登るようになり、色々な石があることに驚きましたが、時すでに遅し。さらに白砂青松と言いますが、広島では浜辺は白い砂が当たり前、そりゃ花崗岩が白いですからね。ところが関東に行って海岸が灰色というか黒なのに驚きました。これ泥じゃんと、所変わればに驚きました。鉱物も祭りも地域の特色があってとても面白いですね。

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