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島へ
NHK-BSの新日本風土記は割と好きな番組です。4月の番組改編でちょっと見にくくなった感はありますが、先日やっていたのはこちら。再放送なので、最初の会を見た記憶もありました。
もちろん私が広島で生まれ育ったこともあり、瀬戸内海というのはとても好きです。太平洋や日本海のように荒れることはなく、本当に穏やかで、気候もいいと思います。
この番組の中でも砕石や桜などよく見かける風景も紹介されていましたが、とはいえ一方どんどんさびれているのも事実。少し番組は綺麗に作り過ぎていたような感じがありますが、それはしかたないのかも。
先日茶碗を買いに寄った「READAN DEAT(リーダンディート)」で茶碗の代わりに買ったのがこちらの冊子。
1号、2号共に良かった記憶があり、手に取ったのですが、今回は「島」についてで、最初は因島からでした。
コロナの時期、人も少ないので因島の土生で晩飯を食べて広島まで帰ろうということになり、土生の街を女房とふら付いたことがありました。
コロナの時期はSAも早い時間に店じまいで、食べそびれたことがあったので、土生ならあるんじゃないかと、港の駐車場に車を入れて街中の細い路地を歩いたのです。
この冊子でも書かれていますが、因島の土生は日立造船が撤退して火が消えたような飲食ゾーンではあるのでしょうが、それでも飛び込みで入った寿司屋は美味しかった。上握り、あんかけ卵焼き、貝柱塩焼き(タイラギガイ)、鯛のカルパッチョ、あさりの味噌汁。
長年の街と人(客)の蓄積がないと、こういう店はなかなかないだろうなと思ったのです。先人たちのお陰で美味しくいただきました。
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さて、「雑居雑感」の一部を紹介します。
田中謙太郎氏の「因島」に関する「ここで生きる」の最後の箇所。
「確かに一部の大都市は、今なおサービス産業の集積と盛んな再開発によって、人を吸い寄せている。東京はその頂点に立つ。空間の発展はますます不均等になる一方で、こうした一見煌びやかな大都市が、未来に展望を持っているわけではない。低成長に喘ぐ経済の中でひたすら消費空間をつくり出し、需要を先食いしている。その裏で無数の人々が使い捨てられている。
どこに住んでいようと、グローバル化や人口減少の影響を受けずに暮らすことはできない。一方でそれぞれの地域には地理歴史的な文脈に基づいて、変容を重ねながらも持続していく営みがある。そこに目を向けず、他の国や都市と優劣を比較し一喜一憂することに意味はない。地域やそこで生きる人々の一言では括れない姿を受け止めることで、希望を見出してはいけないだろうか。」
本当にそう思います。
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