もうしっかり大人なのに、

母に会い妹に会う帰り道泣きそうになる淋しくなけれど
 
（HAHA NI AI IMOUTO NI AU KAERIMICHI NAKISOU NI NARU SABISHIKU NAKEREDO）
 
一人暮らしはとても楽しい。
 
けれどたまに家族に会うと、一緒に過ごす短い時間が
幸せな分、一人になる瞬間がすごくせつなくなる時がある。
 
どうして一人暮らしを選んでしまったんだろう。
 
あとどれだけ、一緒の時間を過ごせるんだろう。
 
もうしっかり大人なのに、地下鉄のホームに向かう
エスカレーターのステップの上で涙が膨らんでくる。
 
目をぎゅっと瞑って涙を封じ込めるように、
大きく息を呑む。
 
大人大人大人、社会人。
 
ゆっくりとそう言い聞かせて、エスカレーターを降りる。
 
夕方の駅のホームで泣いている大人なんかいない。
 
大丈夫だ、ちゃんと自分の生活に戻れる。
 
暗闇の中から、光を乗せて地下鉄が颯爽と滑り込んで来た。
 
さあ、地下鉄に乗って、愛しい我が家に帰るのだ。