政治の勉強に

「加治隆介の議」を最近読んでいます。

主人公が加治隆介という鹿児島出身の男性で
もともと商社で働いていた方です。

お父さんは元国会議員でお兄さんが秘書をやっておりましたが、ある日不慮の事故というか策略でお父さんとお兄さんが亡くなってしまいます。

そこに次男である加治隆介に出馬要請が来て一度は断るも、出馬し、国会議員になるという序盤のお話になっております。

賛否両論があったり、辛辣な批評をされているところがあったりする作品なのですが、「こういう人に政治家になってほしい」と思えるような場面が多いです。
選挙区に何かを還元するという実現性の低い公約を話して選挙に受かったら手のひらを返す議員さんや自分の選挙区でどうやったら次も当選できるか、当選が目的になっている議員さんなどを牽制する痛烈な場面があります。

また議員さんの金銭的実情なども詳しく教えてもらえます。
やっぱり大変そうです。
「あとは落選してしまえば、ただの人」これはよく言われることですが印象的でした。

物語の中で現職の首相がスキャンダルで退陣になったとき、談合で次の総裁を決めようとしている与党第1党の民政党。

「総裁選びを永田町の派閥の力関係で決めるというのは明らかに民主主義に反します。」
「全国にいる党員に対して失礼だと思います。」

と周りに話し、加治隆介は総裁選を実施させるために動きます。

たしかに全国に党員がいるんだったら総裁選はきっちりやったほうが、信を得ている分リーダーに力が与えられるなと感じています。
永田町の密室の中で決められるリーダーはいろんなしがらみに固定されてしまい、総裁選で選出されたリーダーよりもリーダーに任される力は小さそうです。

「派閥の弊害」を壊すために加治たちは動きます。
派閥の性質というか、長所と短所も分かりやすくて描いてくださっています。

「派閥の結びつきが本当に政治的思想であれば派閥は大いに結構。ただ、お金のために結びついている派閥で有ればそれは本来の姿ではない。」
そんなことを言っているシーンがあってとても印象的でした。

加治隆介の父親の随筆に、こんな言葉で出てきます。

「政治家の最終的な目標は『人類の幸福』である。
個人を超えて、自分の選挙区を超えて、日本国を超えて、世界的なスケールでの『人類の幸福』こそが我々政治家の取り組むべき最大の命題なのだ。」

最初にこの文章を読んだときに、こういう考えを持った人に議員に是非なって頂きたいな素直に感じました。

このマンガから影響を受けて国会議員を志した人もいるそうです。
サッカーでいうキャプテン翼みたいなものですね。そう考えるとすごい影響力です。

アツい志をもって議員になったけれでもきっと変わらざるを得ない何かが根深く実在してるのだろうと勝手に想像しております。
「何か」についても読み進めるうちに少しずつわかっていくかもしれません。

政治のことも選挙システムについても本当に細かく書かれていて勉強になりなる部分がある作品です。

島耕作もそうなのですが、弘兼憲史さんの作品はリアルな場面が本当に多いのでたくさん取材されていらっしゃるんだろうなと感じております。

弘兼憲史さんの奥様は柴門ふみさんです。
東京ラブストーリーとあすなろ白書は見たことあります。ご夫婦でどれだけ面白い作品書いてるのー!って思うぐらい戦闘力の高いご夫婦だと思います。

話がそれましたが、本当に一生懸命職務を全うされていらっしゃる議員さんは本当に応援していきたいと感じさせていただける作品ですし、自分自身もっと政治について学ばないと足りないなとも感じさせて頂けた作品です。

最後まで読んで頂きありがとうございました!

サポートしていただけたら、実験用具を買うか、実験用の薬品を買うかまだ決めていませんが、生徒さんたちと授業のために使いたいと考えています。