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「女王の教室」の台詞から②

前回、天海祐希さん演じる阿久津真矢のセリフについてお話させていただきましたが実はご紹介させていただいたセリフの前にも衝撃的なセリフがあるんです。

順番が逆になってしまいましたが、今回もご紹介させていただきます。

極端だなと思うところももちろんありますし、人によって賛否両論ある文言が入っています。

2005年のドラマのセリフということを念頭おいて読んでいただければと思います。

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阿久津「愚か者や怠け者は差別と不公平に苦しみ、賢い者や努力した者は色々な特権を得て、豊かな人生を送ることができる。それが社会というものです。

「あなたたちは、この世で、人の羨むような幸せな暮らしができる人が何%いるか知ってる?」

「たったの6%よ。この国では100人のうち6人しか幸せになれないの。このクラスには24人の児童がいます。ということはこの中で将来幸せになれるのは1人か2人だけなんです。」

「残りの94%は毎日毎日不満を言いながら暮らしていくしかないんです。」

「もしあなたたちがその6%に入りたければ、今から努力をしていい成績を取り、いい大学に入るしかないでしょう。」

生徒A「いい大学に入るだけが人生じゃないと思うけど」

生徒B「スポーツとか音楽とかさ」

阿久津「ふんっ。スポーツや芸術で成功する確率はもっと低いの。一流になる人間は一流の指導者の英才教育を小さい頃から受け、血の滲むような努力をしているんです。あなたたちのような凡人に今からそんなことができる?」

「あなたたちは、もう有名私立小学校に通う児童からずぅーっと遅れをとっているんです。」

「イメージできる?」

「彼らはこうしている間にも、あなたたちが経験したことがないような裕福な生活をし、決して手にできないような特権やサービスを受けているんです。」

「病気になれば順番を待たずに、一流の大学病院の診察を受けることができるし、朝から並ばなければ手にできないようなゲームだって簡単に手に入る。」

「ディズニーランドだって特別な出入り口から入って、人気のアトラクションも並ばずに乗ることができるんです。」

生徒C「不公平だよそんなの。」

阿久津「いい加減目覚めなさい。」
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ここから前回ご紹介させていただいたセリフに続きます。

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「日本という国は、そういう特権階級の人たちが楽しく、幸せに暮らせるように、あなたたち凡人が、安い給料で働き、高い税金を払うことで成り立っているんです。」

「そういう特権階級の人たちがあなたたちに何を望んでいるか知ってる?」

「今のままずっと愚かでいてくれればいいの。」

「世の中の仕組みや不公平なんかに気付かずTVや漫画でもぼうっと見て、何も考えず、会社に入ったら上司の言うこと大人しく聞いて、戦争が始まったら真っ先に危険なところへ行って戦ってくればいいの。」
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赴任して初っ端の担任挨拶でこれを小学6年生に言い放つ阿久津真矢。ぶっ飛んでますね。

「もし阿久津真矢たちが住む架空の国の現状について彼女が真実を述べているのならば」という視点かつ、「特権を維持したい政治家」という設定で想像してみます。笑

A「人が羨む生活のできる6%の人たち=一部の特権階級の人々が幸せに暮らすために、残り94%にはそれなりに過ごしてほしいね。あんまり賢くなられちゃうと不都合な真実に気付いてしまう人が増えて面倒だから教育はあんまり力を入れないようにしよう。」
B「具体的にはどのように?」
A「手っ取り早く教員の質を下げよう。教員に良い人材が集まらないようにすればいい。とにかく事務仕事を多くして忙殺しよう。給料も平均より少し低めに設定する。成り手がいなくなれば倍率が下がって、質はほっといても下がるだろう」
「教育の質を高める努力はしてますよ、というアピールはして世論をかわしつつ、本腰は入れない。予算は増額しすぎるな。するとしても本質をつくな。加減は慎重に。」
A「ある程度稼いでちゃんと納税できて、上司の言うことを忠実に聞く国民を量産しよう。」
B「どうすれば?」
A「考える機会を徹底的に奪おう。授業は一斉教授で一方的にいこうか。そういうものなんだと教え込もう。教員や上のものの言うことは徹底的にきかせよう。疑問すら抱かないのが望ましい。」
B「最近、フリーランスが増えていますが?」
A「年金や保険料で会社員の方が楽だと思わせよう。需要が増えたり、要望が出ても確定申告のやり方なんて学校で教えるんじゃないぞ。」
A「海外の正しい情報が日本に入ってきては困る。全て管理できるマスコミを通して伝えさせよう。」
B「この時代に情報統制のようなことをして世論が黙っているでしょうか…」
A「英語の力を伸ばさなければいい。英語が話せない、読めないようにしてしまえば我々が直接手を下さなくても情報の鎖国は容易にできる。英語をストレスなく読めたり、話せる人材はできるだけ少なくしたい。正しく話せなければ英語を話してはいけないと刷り込もう。海外に漏れるとまずいから内密に。海外の思考が入ってくると比較ができちゃうからね。」
A「大学を出てすぐに就職するのが当たり前だと刷り込もう。新卒というブランドを全面に押し出すんだ。海外の働き方とか価値観なんて持ち込まれたら困る。」
B「本当にやりたいことを見つけていない若者も就職という道を選ばざるを得ない状況を作るんですね?」
A「察しがいいね。その会社にしがみつくしかない人材の方が会社の言うことをよく聞くだろう。とにかく管理しやすい人材を輩出しよう。」

こんなところでしょうか…。

必死で悪代官と越後屋が考えそうなやりとりを考えてみましたが、難しいですね。

思いついたらまた追記してみたいと思います。

このようなやりとりが、私たちの国では起こっていないことを願ってやみません。

読んでいただいて有難うございました。

サポートしていただけたら、実験用具を買うか、実験用の薬品を買うかまだ決めていませんが、生徒さんたちと授業のために使いたいと考えています。