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#2 読書日記01 先生、どうかみんなの前でほめないでください』

読書日記

『先生、どうか皆の前でほめないで下さい』 金間大介 著
金沢大学融合研究域融合科学系教授、東京大学未来ビジョン研究センター客員教授の金間大介氏の著書だ。

今年春先に読んだものだけど、その後の授業(教職課程の教科教育法や教育原理、経営マネジメントなど)でも折に触れ話題にしてきた内容でもある。

氏の活動に興味を持ったきっかけは、まだ高校勤務時代に『モチベーションの科学-知識創造性の高め方』(2015年)を読んだことだった。

以来、彼の研究対象に非常に興味を持ち、運命(?)なのか、大学でも教員を養成する講義を担当している関係で、金間氏の教育誌での執筆やホームページ、SNSなども拝見している。

“いい子症候群”の若者達の心象風景を批判して嘆いて「ハイ終了!」という内容ではない。
私たち大人が何をすべきなのかを考えさせてくれる。

章立てを見てみよう。

第1章 先生、どうか皆の前でほめないで下さい・・・目立ちたくない若者たち

第2章 成功した人もしない人も平等にして下さい・・・理想はどんな時でも均等分配

第3章 自分の提案が採用されるのが怖いです・・・自分で決められない若者たち

第4章 浮いたらどうしようといつも考えてます・・・保険に保険をかける人間関係

第5章 就職活動でも発揮されるいい子症候群・・・ひたすら安定を求めて

第6章 頼まれたら全然やるんですけどね・・・社会貢献へのゆがんだ憧れ

第7章 自分にはそんな能力はないので・・・どこまでも自分に自信のない若者たち

第8章 指示を待ってただけなんですけど・・・若者たちの間に広がる学歴社会志向とコネ志向

第9章 他人の足を引っ張る日本人・・・若者たちが育った社会

第10章 いい子症候群の若者たちへ・・・環境を変える、自分を変える

これを見れば、学校の先生でなくとも、「ああ、アルアル!」と思う方がたくさんいるに違いない。

若い従業員を指導助言する会社の上司、先輩の皆さん、パートやアルバイトのリーダーや先輩(中には子育て中又は子育てを終えた方)の皆さん、高校生や大学生の働きっぷりにイラっとしたり、ため息をついたり・・・・そんな光景が目に浮かぶのである。

ここでネタバレよろしく、あれこれ内容を詳細に書いて「読んだつもり読書」になると、書籍の売上を邪魔しかねないので、興味ある方は直接読んでいただくのがよいと思う(図書館などで借りてもいいけど・・・・)。YouTubeを検索すると、多数の動画も視聴できる。