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神業ガイドに心持ってかれる(奄美大島のコト:VOL3)

(前回からの続き・・)

奄美大島への家族旅行。
不思議な偶然の重なりから
始まったナイトツアーに、
私の胸の高まりは最高潮だった
そんな話の続きから。



車のヘッドライトを消せば、
本当に文字通りの真っ暗闇。
そんな山の中をジープは
駆け上っていった。

頭上を見上げると夜空を
埋め尽くす、星明かり。
都会で見える星の数のほうが
むしろジョークなんじゃないか、
そんな風にすら思えるおびただしい数だ。

目の前の漆黒の闇と
夜空の満点の星。
それらのコントラスト・・

それだけで、すでに自然の偉大さに
圧倒されていたが、ガイドである
こはるちゃんパパの「神ガイド」で
私はより一層、この世界へと
ひき込まれていった。



こはるちゃんパパは真っ暗な山道を
慣れた手つきで運転しながら、
巧みな話術で「奄美大島愛」を繰り広げる。

遠くをダイレクトに照らせる
「ライト」を小脇に抱えながら。

このライトさばきがまさに神業で、
「運転」しながら、軽快に「話し」ながら、
暗闇の中に隠れている天然記念物モノの
カエルや鳥たちを「ライティング」し、
ツアー参加者たちに「教えて」くれる。

トークは最高に淀みなく、
聞いていて心地いい。

奄美の自然を愛して、
自分のドライビングを愛して、
自分のライティングを愛して、
自分のトークをも愛して、
たくさんの好きが伝わってきた。

この山道で天然記念物のカエルを
車で誤って轢こうなんてものなら、
「万単位」の罰金だそうだ。

貴重な生物や植物を不正売買しようと、
侵入する車も少なくないらしい。
そんな時は、得意のライティングさばきで
不審な動きをする車のナンバーを押さえ、
念のため通報するらしい。

そんな小ネタも挟みながら、
真っ暗な山道を慣れた手つきで進んでいく。

そんな中、
こはるちゃんのパパが語ってくれた
絶滅危惧種の「アマミノクロウサギ」の
ストーリーが私の心をつかんで離さなかった。


ウサギなのに、
長い耳を持たないらしい。


(続く)





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