関係作りの1ヶ月 K 11



 4月は「関係作りの月」である。子どもたちとの関係作りに勤しむ月である。
そして、保護者との関係を作る月でもある。今年度は、懇談会の前に全家庭の保護者と話すことができた。私は、この「貯金電話」をすごく大切にしている。


 「貯金電話」と名付けたのは私だ。しかし、この実践は師匠である「中村健一」先生の実践をマイナーチェンジしたものだ。中村健一先生は、俗に言う「ややこしい保護者」と1年間付き合うために先手を打つことが大切だと言っていた。ただ、今はどの保護者も「ややこしい保護者」になり得る。(ややこしい保護者にさせてしまう場合もあるが。)そこで、私は懇談会を行うまでに、家庭に電話連絡をしている。

 電話の内容は、主に子どもの話。「〇〇君がこんなこと頑張ってくれました」「〇〇ちゃんのこんな素敵な姿が見られましたよ」などを伝える。自分の子どものいいところを聞いて激情する保護者はおそらくいないだろう。そして、子どものいいとろを伝える人間に悪いやつはいない。プラスのイメージを保護者にもってもらえる。

 ただ、真の狙いは「担任の私はどんな人間かを知ってもらうため」だ。おそらく、家庭では、「新しい先生はどんな人?」と言う会話がなされているはず。子どもたちは「面白い」「優しい」「怖い」など一言で説明をするはず。そのイメージはおそらく今後も拭えない。一回ついたイメージを払拭するのは難しい。しかし、早い段階なら払拭することができる。なので、電話で話し、私はよく笑う。楽しい気分になっておく。なんなら、保護者と同じタイミングで笑う。共感は仲良くなる秘訣。そんなことを考えながら「電話貯金」をする。


 こんな大々的に書いているが、全家庭に電話できたのは今年度が初。実は全家庭というのはとても大変。中には「それに時間を割くよりも授業の準備をしては?」なんて意見もあるだろう。しかし、私はこれを大切にする。後の保護者とのより良い関係を築くために。

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